諮問機関がダム建設にNO!
国土交通省が計画する淀川水系の4つのダム-大戸川(大津市)、天ケ瀬(京都府宇治市)、川上(三重県伊賀市)、丹生(滋賀県余呉町)-について、同省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」がダム建設は適切でないとの意見書をまとめました。
4月23日の朝日新聞によると、大戸川ダムは200年に一度の洪水時に淀川の水位を19㎝しか下げる効果がないことや、川上ダムは自治体同士で水利権を融通すれば新たな利水の必要がなくなることなどを明らかにし、こうした指摘について整備局から十分な説明がないとして、意見書で「ダムの必要性に十分説得力のある内容にはなっていない」と指摘したということです。
国交省のダム建設をめぐって、諮問機関が「脱ダム」の方針を答申するのは極めて異例なことのようですが、その背景には「淀川モデル」といわれる他の諮問機関にはない運営方針があったようです。委員の選定には一般公募を採用し、会議や資料はすべて公開、意見書などはすべて委員自らが執筆しました。公共事業の諮問機関は、役所の計画にお墨付きを与えるだけの追認機関であることが多いのですが、市民主導の運営方針が今回のような画期的な答申に結びついたといえます。
規模の大きさこそ違え、武蔵関公園の富士見池整備工事では、環境アセスの対象工事ではないという理由で、地中にプラスチックの構造物を埋めることなどによる環境への影響はほとんど無視され、計画段階での説明会もなく、住民の代案もきちんと検討されることなく、ひたすら行政主導で工事が進められてしまいました。この記事を読んであらためて強く感じたことは、事業者である東京都、公園管理者である練馬区、当事者である住民(公園周辺住民と水害にあった住民の双方)の話し合いが計画段階から行われていれば、環境と安全を両立させ、双方の住民が納得できる方策を講じられたのではないかということです。
今回の答申について、国側は「再検討」を逆手にとって予算を浪費しながら問題を先送りにするに違いないという見方があります。時代が変わって当初計画した公共事業の必要性が薄れても絶対にそれを認めようとせず、何が何でも計画通り事業を行おうとするのが「役所」の体質です。公共事業の緊急性、費用対効果、環境への影響など多角的な見地に立って見直すべきは見直す。こんな当たり前のことができない行政なら、住民の力によってリーダーを変えるしかありません。
土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp
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