たばこの火は表面温度が700度から800度に達するといわれており、歩行中の喫煙は単に迷惑というだけでなく大変危険です。区内でも歩行喫煙者に「火傷をさせられた」「服を焦がされた」という例があると聞きますが、特に幼児にとっては、歩行喫煙者の持つたばこがちょうど顔の位置にあたるので非常に危険で、小さな子どもをもつ保護者からも歩行喫煙禁止の徹底を求める声が強くなっています。
また、自らの意思に反してたばこの煙を吸わされる受動喫煙による健康被害が問題になっています。火のついたたばこの先から発生する「副流煙」は、喫煙者が吸い込む「主流煙」より有害物質を多く含むといわれていますが、受動喫煙は化学物質過敏症や喘息の患者さんにとっては、ときには命に関わる深刻な問題です。
「ポイ捨て防止キャンペーン」などによって、駅周辺の歩行喫煙者は減少傾向にあると聞いていますが、実際には歩行中や自転車走行中に喫煙する人が後を絶たず、たばこのポイ捨てもなくなりません。そもそも歩行喫煙をしないことが「区民等の責務」であること自体を知らない区民も多く、さらに啓発の強化が必要と考えます。
「練馬区ポイ捨ておよび落書行為の防止に関する条例」6条の(3)で「歩行中に喫煙をしないこと」を「区民等の責務」と規定していますが、歩行喫煙が禁止行為なのかどうかがあいまいで、現行のままでは啓発・抑止効果が不十分であると考えます。区内全域において歩行喫煙が禁止行為であることを明確に規定する内容に条例を改めるか、新たに歩行喫煙の禁止に関する条例を新設する必要があります。
以上は、本年9月17日に環境まちづくり委員会に付託された陳情第112号「歩行喫煙禁止について」の内容の一部ですが、この陳情は、地域の方々と協力して議会に提出したものです。
路上喫煙および歩行喫煙については、多くの区民の皆様から規制の要望があり、私も委員会等の場で機会があるごとに「区内全域における歩行喫煙の禁止」などを訴えてきましたが、これまで区の反応は消極的なものでした。
最近では、第3回定例会の決算特別委員会でもこの問題について取り上げましたが、区の答弁は(質問時間が少なかったこともありますが)「区民の良識的な判断に委ねるという意味合いの規制」という程度のものでした。
練馬区が路上喫煙および歩行喫煙の規制強化に踏み切れない理由としては、練馬区の場合、路上喫煙等に罰則(過料)を課している千代田区などとは違い、区内で活動する人の多くが練馬区民であること(区民が区民を取り締まることに対する躊躇)や過料などを課す場合の徴収コストがあげられてきました。
それはそれとして理解できますが、しかし実態は駅周辺など人通りの多いところでも歩行中や自転車走行中に喫煙する人が後を断たず、単に「マナーの問題」では済まされなくなっている実態があります。もちろん、いくら規制を強化しても違反者は出るでしょうが、現行の「歩行中に喫煙をしないことを区民の責務」とするだけではあまりにも不十分で、多くの区民の要望に応えているとはいえません。啓発強化とマナー向上に対する区の強い姿勢を示すためにも、少なくとも条例に「区内全域歩行喫煙禁止」を明記しなければならないと考えます。
いま、練馬区議会の第4回定例会が開かれていますが、本日行われた本会議の一般質問で、他の会派から「路上喫煙禁止地区を指定すべき」あるいは「歩行喫煙を禁止すべき」という提案がなされました。これに対し、区の答弁は「区内全域路上喫煙禁止にすると、区等で設置した分煙エリアでも禁止することになるので困難。喫煙者と非喫煙者が共存できる体制をつくりたい」と答弁した上で、ただし、昨今の迷惑喫煙に関する区民の苦情の増加を踏まえて「歩行喫煙については禁止の方向で検討する」との明確な答弁がありました。
私どもとしてはこの答弁だけで所期の目的が達成されるとは考えていませんが、これまでの区の歩行喫煙禁止に対する消極的姿勢を考えれば、大きな前進だと思います。このような流れができたのも、ひとえに皆様から根気強くご要請をいただき、さらに陳情の提出にもご協力をいただいた成果だと思います。
問題は、新設される条例の内容と施行の時期ですが、皆様のご意見を聞きながら、抑止効果の高い案を、限りなく早期に実現するために行政に働きかけていきたいと思います。また、提案された内容が不十分な場合は修正動議を提出し、区の消極姿勢が続くなら私どもの会派から議員提案することも視野に入れて行動してまいります。
いずれにしても、今日の答弁は画期的なものであり、歩行喫煙禁止に向けての大きな道筋ができつつあると感じています。今後とも率直なご意見をいただければ幸いです。
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