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2008年12月

2008年12月24日 (水)

事務事業評価と事業仕分け

 平成20年度、練馬区の一般会計予算ははじめて2000億円の大台を超え、当初予算規模は2108億8470万円となりました。これを歳入別にみると、自主財源といえる特別区税は643億753万円で、わずか30.5%。それ以外の大半は交付金や国や都からの補助金(支出金)で賄われているのが実態です。

 地方財政が逼迫している中にあって、練馬区では、財政の健全度を図る経常収支比率および財政健全化比率などは概ね良好ですが、経済情勢が悪化の一途をたどっており、区の税収をはじめ、都の法人事業税などの税収が大幅に落ち込むことが予測され、交付金などへの影響も避けられないことから、今後は一層慎重な財政運営が必要になります。

 「役所は予算を付けるときには大騒ぎするが、それを客観的に評価することには無関心であった」といわれてきました。こうした「予算偏重、決算軽視」の姿勢は、予算の硬直化を招き、無駄な事業がなかなかなくならないという弊害を招いています。いま、「事務事業評価」などの政策評価が注目されていますが、練馬区においても平成14年度に「行政評価制度」が導入されて以来、事業別の行政評価が行われています。

 しかしながら、練馬区に限ったことではなく、事務事業評価は「行政が行政を評価する」いわば自己評価の限界が指摘されており、思ったような効果は上がっていないのが実態です。行政評価は導入したものの、その評価をどのように実際の施策や無駄遣いの防止に役立てるかという戦略がないため、単に職員の仕事を増やしただけという笑えない現実に陥っているところが少なくないといわれています。

 事務事業評価とともに、いま注目されている手法に「事業仕分け」があります。事業仕分けは「構想日本」が提唱したもので、自治体の事務事業について、外部の評価者が必要性の有無を精査し、必要ありとされたものについては適切な事業主体へと仕分けをしていくというものです。これまでいくつかの自治体で導入されてきましたが、例えば平成17年に実施した滋賀県高島市では、119の事業について事業仕分けを行った結果、既存事業を21億円削減できたとしています。

 練馬区でも、事業仕分けに300万円の予算を計上して、現在、調査を行っていますが、具体的な中身についてはまだ白紙の状態です。今後、膨大な事業についてどのように外部の判断を仰ぐかなど、その手法についても検討されなければなりませんが、硬直化しがちな財政運営について、外部の評価を入れることは、住民や議会の積極的な参画を促すことにもつながり、早期の事業化が望まれます。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp 

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2008年12月18日 (木)

小学校の英語教育

<練馬区では来年度からの必修化を検討>

 先日、関町小学校の学校評議会が開かれ参加してきたのですが、その時に小学校における英語教育が話題になりました。

 現在、練馬区立の小学校では、全69校のうち68校で何らかの英語活動が行われています。年間105時間(週3時間)ある総合的学習の時間を利用し、時間数は学校によって年間5時間から20時間とまちまちですが、担任に加えて英語の教員免許を持つ先生や外部の英語活動指導員が指導を行っています。

 文部科学省は、平成23年度から小学校5、6年生について、年間35時間(週1時間)の英語の必修化を決めましたが、練馬区では、来年度(平成21年度)から前倒しで実施する方針を固めています。これが議会で承認されれば、年間105時間の総合的学習の時間を70時間に減らして英語教育が行われることになります。現在、英語活動指導員は区の臨時職員(アルバイト)として雇われており、報酬は1時間2500円で、区の予算は年間1700万円を計上しています。来年度から全69校で週35時間の授業を行うことになれば、予算規模はほぼ倍増することが予想されています。

 練馬区の教育委員会では、必修化前倒しの理由として、「受け入れ先の中学校の事情を勘案した」としています。現在、各小学校における英語活動には時間数や内容にばらつきがあり、その結果、中学校で英語の授業が始まる際に、生徒によって英語に対する意欲や学力に差がみられるというのです。つまり、どこでも均等な教育を受けられるという公立学校の趣旨に反しないために、小学校における英語教育の均等化を図る必要があるということです。

<小学生に英語教育は必要か>

 文部科学省が小学校における英語教育を必修化した背景には、「国際感覚豊かな人材を育成する」などの大義名分があるわけですが、そもそも、小学生に英語教育を行うことが適切なのかどうかについては賛否両論があります。

 先日の朝日新聞によると、『小6と中3を対象にした全国学力調査をめぐり、成績が向上した学校を文科省の専門会議が分析したところ、「授業で学校図書館を活用する」「地域への学校の公開日を設ける」といった取り組みに力を入れているところが目立ち、国語に力を入れた学校で算数・数学の学力が向上する傾向は、今回も改めて確認された』。さらに、『国語と算数・数学の関連では、たとえば小6算数の「活用」問題では低学力層が減った学校群では、国語で「書く習慣をつける」取り組みをしているところが89.3%(前回比5.5ポイント増)。「読む習慣をつける」取り組みをしているところが81.1%(5.3ポイント増)だった。出題内容を読み解く力が向上するとみられている』としています。

 最近、子どもたちの読書離れや国語力の低下が顕著になっていますが、いくら英語力を磨こうとしても、国語的な理解力がなければ、真の国際人は育たないということが良く言われます。確かに、日常会話を習得する程度なら並みの国語力で足りるかもしれませんが、例えば外交やビジネスなど高度な知識を必要とする分野では、いくら英会話が堪能でも、専門的な知識や高度な国語力がなければ、戦力にはならないでしょう。

 平均的な日本人は、中学校、高校、場合によっては大学と10年近くも英語を学んでも、日常会話さえままならないというのが普通です。これは日本の英語教育の最大の欠点ともいうべきものですが、少なくとも平均的な日常会話ができるようにすることを英語教育の最大の目的とするならば、中学校、高校の英語の授業のあり方や受験制度を根本的に見直す必要があるでしょう。

<学校現場は対応できるのか>

 文科省では、必修化に向けて、「英語ノート(教科書)」「(教員用の)指導書」「解説書」「CD、DVDなどの備品」を用意しているということですが、実際に英語教育を預かる学校側の体制は整っているのでしょうか。教育委員会によれば、外部の指導員を増員し、全69校に英語の指導免許を持つ人材を配置するとしていますが、原則は学校側で指導員を用意することになっており(みつからない場合は教育委員会が援助する)、21年度の必修化に間に合うかどうかは未知数です。また、指導員の待遇(臨時職員)も含めて、改善すべき点が出てくるかもしれません。

 いずれにしても、週1時間の貴重な時間を割いて授業を行うからには、片手間に行うわけにはいきません。個人的には、小学生に英語を教えるよりも、読書や書き取りなどの国語力を育てる時間に充てるべきだと思うのですが、小学校に英語教育をする是非を含めて、もっと議論を深めるべきではないでしょうか。ご意見をお待ちしています。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp 

 

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