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2009年1月 8日 (木)

派遣村(石神井学園用体育館)を訪問

 仕事や住居を失い、日比谷公園や厚生労働省の講堂に寝泊まりしていた「年越し派遣村」の失業者など500人のうち、仕事や住居が決まっていない約286名の人たちが、厚労省や都が用意した都内4か所の施設などに移転しました。

 練馬区では、東京都の児童養護施設である石神井学園に隣接する体育館に136名の人たちが移転してきましたが、都の施設であるため管理は都が行い、実際の運営は都が委託した社会福祉法人やまて企業組合が行っています。

 現在は、当初の人数より2名増えて、138名が寝泊りをしているということで、施設内に開設されている「ハローワーク」「生活保護」「社会福祉協会の貸付」「住宅情報」の窓口を利用したり、民間の不動産業者で住居を探したり、石神井総合福祉事務所で生活保護の申請を行ったり、職を探したりと、それぞれが今後の生活基盤を築くために行動しているとのことです。私が訪問したのは夕食時で、ちょうど弁当が配布されているところでしたが、住居や職探しから戻っていない人も多くいたようです。

 施設では、3食が支給され、2回分の入浴券(近隣の公衆浴場を利用)が配られたほか、社会福祉協議会から生活保護申請者に1万円、非生活保護申請者には5万円が貸付けられ、生活支援や住居・職探しの資金に充てられています。施設内の環境は暖房が行き届き寒さはしのげますが、空調の音がうるさかったり、長引く共同生活でストレスがたまる人たちも出始めているようです。

 都の担当者の話では、徐々に住居や職が見つかりはじめ、人々の顔に明るさが出てきているということですが、この施設が使用できるのは12日までと期限が決められており、それまでに住居が見つからなかった人たちの受け入れ先は、まだ決まっていません。期限までに138名全員の住居や職が見つかるということは不可能で、施設利用者からは先行きを不安に思う声も聞かれました。

 さて、派遣村の村長でもある「反貧困ネットワーク」の事務局長、湯浅誠氏は、今の日本社会を「一度転んだらどん底まですべり落ちて行ってしまうすべり台社会」と表現しています。一方で、「日本の貧困は世界の貧困に比べたらまだまだ騒ぐに値しない」という考え方もあり、職を失い、住居失った人たちを「自己責任」と批判する人も少なくありません。さらに、選り好みさえしなければ仕事などいくらでもあると考える人もいるようですが、今の日本社会には働く意志があっても働く場所がないという現実が厳然としてあります。仕事が得られないのは、スキルが足りないからで、本人の努力が足りなかったからだと言ってしまえばそれまでですが、家庭環境や様々な事情でまともな教育を受けられず、技能も磨くことができず、それを磨こうにもその方法すらわからないという「貧困の連鎖」も確実に存在します。

 いま、社会のあらゆる場所で格差がひろがっています。一部の恵まれた人だけが幸福な人生を送り、大部分の人たちが未来に希望を持てないような社会は必ず破綻します。今こそ政治の光は弱者に当てられるべきですが、麻生政権は、日本の窮状を全く理解していないように思えます。

 「給付金」は生活支援金だと言っていましたが、住居さえ持っていない一番困っている人には支給されないという欠点を指摘されると、今度は、「景気浮揚策」だとあっさり軸足を変えてしまいました。そもそも「地域振興券」がそうであったように、給付金の類の政策はほとんど景気浮揚効果は望めないというのが定説であり、ここまでくると、もうなんのための対策なのかほとんど理解できません。

 いま必要なのは、真の意味での景気対策と雇用対策です。また、一方で将来の不安感を払しょくするためにセーフティネットを再構築することが必要です。政策効果の望めない給付金は今すぐに撤回し、本当に必要なところに貴重な税金が使われなければなりません。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp 

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