行政評価制度について
来年度予算の審議を行う予算特別委員会が始まりました。審議2日目の24日、議会費および総務費の審議が行われ、私は練馬区の行政評価制度について質問しました。
練馬区の行政評価制度は平成14年に導入されましたが、その背景には、役所の「予算偏重、決算軽視」の従来の姿勢を改めることにあります。練馬区の行政評価制度の基本的考え方にも、「従来の行政評価の仕組みは監査委員や行政考査などによる「予算をいくらつかってどれだけ事務事業をこなしたか」という(執行重視)の視点からの評価説明であった、一方行政評価制度は「事務事業の実施によって住民の生活がどう変わり向上したか」という(成果重視)を説明する評価方法で、より本質的な行政の説明責任を果たすもの」とあります。
このような視点は正しいと考えますが、せっかく導入した行政評価も、どのように実際の施策や無駄な歳出の削減につなげていくかという戦略がなければ、ただ単に、行政評価という仕事を増やしただけということになってしまいます。このような観点から、以下について行政の姿勢を質しました。
1.施策と事務事業の関連付け、貢献度について
練馬区の行政評価は、施策評価と事務事業評価からなっている。政策評価は原則隔年で行われ、事務事業評価は毎年行われているが、両方が行われた平成19年でみると、78の施策評価と902の事務事業評価が行われた。
事務事業は、施策を構成する要素だから、両者の関連付けは非常に重要である。そこで、事務事業評価はどのように個々の施策に反映されているのか。また、施策に対する個々の事務事業評価の貢献度については、いまのところ指標がないが、今後は貢献度を数値化するなどわかりやすい指標をつくっていく必要があるのではないか。
2.必要性評価と事業の廃止・縮小について
事務事業評価は、個々の事業の必要性を図るという意味でも重要である。平成19年の事務事業評価の「必要性評価」でみると、必要性が低いと評価された事業は902のうち12事業、平成20年では894事業のうち10事業となっているが、必要性が低いと判断された事業は、その後どのように処理したのか。廃止もしくは縮小という措置をとったのか。
3.予算査定における事務事業評価の活用について
事務事業評価は、予算のスリム化を図っていくという点でも重要、特に財政状況が厳しくなっている昨今においては、事業の優先順位や費用対効果を図ることは極めて重要になっている。
練馬区の事務事業が1200を、客観性のある尺度で費用対効果を数値化し、大きいものから順に並べて歳入の範囲内で事業を選択できれば理想的だが、現実には難しい。
一方で、財政セクションは、歳出のどこに無駄があるかについて自覚的なはずだが、事業本部別の枠配分の問題、また、多額の予算を使う大きな事業は別立ての開発計画や整備計画ですでに決められているという問題、あるいは国や都の指導の下にやらなければならない事業もあり、これらを財政セクションが覆すことはできないという意味で、予算査定段階で削減できる予算はかなり限定的という実態がある。
このような財政を取り巻く環境をそのままにして、行政評価という制度を導入しても、事業担当課が甘い評価内容を提出してくれば、どの事業も重要でやめるべきではないということになり、予算は果てしなく肥大化していくということになりかねない。以上のような構造的な問題を抱えた中で、予算査定の際に行政評価をどのように活かすかということは非常に難しいと思うが、この点をどのように改善すべきと考えるか。
4.自己評価の問題点
行政評価は、基本的には「自分で自分を評価する」自己評価で、所詮作文ではないかとう批判がどうしてもついて回る。事業部門がお手盛りの評価をすれば客観性に程遠くなってしまう。
施策評価については第三者評価が行われているが、平成19年に行われた評価では、78の施策のうち23施策について行われたに過ぎず、諮問事項も、区が行った施策評価の結果の妥当性、区の行政評価制度のあり方についてということで、施策そのものの妥当性にまで踏み込んだものにはなっておらず、事務事業評価の第三者評価は行われていない。
900前後ある事務事業評価を、一つ一つ精査することはコスト的にも時間的にも不可能かもしれないが、行政評価に客観性を持たせる努力は必要だと考える。
5.行政評価の情報公開のあり方
行政評価が基本的には自己評価だとしても、行政評価を行う意義は充分にある。予算査定プロセスから査定という事前評価の部分をできるだけ小さくして、決算に対して説明責任を果たすという決算重視に変えていく必要があるし、役所が事業に対してコスト意識を持つという面でも重要だ。さらに、事務事業評価が必ずしも客観的なものでないにしても、役所が行った評価について、役所が記載内容に責任をもち、議会や住民が評価するという流れは、民主主義の基本にかなっている。
そこで、行政評価がどのように区民に公開されているかということが重要だが、練馬区のホームページでは、事務事業評価が担当課別に分類されていて、施策と事務事業評価の関連で検索することができないので、どの課でどんな仕事をやっているかを知らない区民にとっては非常に使いにくい。
例えば、杉並区の場合は「自転車問題の解決」、「災害に強い都市の形成」、「ごみ発生抑制及びリサイクルの推進」など、具体的な施策の名称から事務事業評価を探せるようになっているので、区民にとってはこちらのほうが格段に分かりやすい。事務事業評価を積極的に区民に公開するという観点から、ホームページの目次の作り方についても工夫が必要である。
6.事業仕分けについて
第三者評価を入れると点では、事業仕分けという考え方が多くの自治体に広がっている。自治体の事務事業について、外部の評価者が必要性の有無を精査し、必要ありとされたものについては適切な事業主体へと仕分けをしていくというもので、これまでいくつかの自治体で導入されてきたが、平成17年に実施した滋賀県高島市では、119の事業について事業仕分けを行った結果、既存事業を21億円削減できたとしている。
練馬区では、平成20年度予算に300万円の予算が計上されたが、結局は執行されず、21年度予算からは消えてしまった。事業仕分けの導入について、早期に検討を進めるべきである。
土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp
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