こんにちは赤ちゃん事業
区議会では9月29日から決算特別委員会の実質的審議が始まっています。今日は、平成20年度保健福祉費についての審議が行われ、私は母子訪問指導事業(こんにちは赤ちゃん事業)について質問しました。
この事業は出生後4ヶ月までの新生児がいる家庭を助産師や区の保健師が訪問し、子育ての不安や悩みを聞き、支援が必要な家庭へのサービス提供に結びつけていく事業で、平成19年度までは「第一子および第二子以降の希望者」に実施していましたが、平成20年度からは「乳児のいる家庭の全戸を訪問」することになっています。
この事業は平成20年度の重点事業に位置づけられ、当初予算として約3600万が計上されましたが、翌年の3月補正で約1140万円が減額補正され、さらに250万円余の不用額を出しています。このように予算執行率が悪かった理由として、区は「全戸訪問を目標としたものの、訪問の元になる出生通知表が送り返してもらえない対象者がいたこと、また、期限の4ヶ月がせまっているお宅に対しては委託助産師ではなく、直接区の保健師が訪問したため、委託費が不用になったこと」をあげています。
この理由からすれば、当然次年度(平成21年度)の当初予算に計上される額は、区の保健師が訪問する分が差し引かれるべきですが、なぜか、21年度予算にも20年度と同額の予算が計上され、「訪問指導委託料」についても20年度の3489万2千円に対し、21年度もほぼ同額の3484万7千円が計上されています。これでは、今年度も減額補正されることが明らかであるため、私は、予算編成段階での査定の甘さを指摘し、「予算編成は一つひとつの事業の積み重ねであり、一つでも甘い査定があると予算全体の信頼性が損なわれる」と主張しました。ちなみに、来年度(22年度予算)では、区の保健師が訪問する分を差し引いて計上されるとのことです。
この事業については、「本当に全戸訪問する必要があるのか」という声があるのも事実ですし、そもそも行政の支援を必要としていない人もいるでしょう。しかしながら、問題を抱えている家庭がどこにあるかわからないから敢えて全戸訪問するというのが事業の趣旨だと思うし、その点では全戸訪問という目標自体は正しい方向なのだと思います。ただ一方で、訪問は電話でアポイントを取ることからはじまるので、出生通知表が戻ってこない家庭を訪問することはできませんし、中には訪問自体を拒否する家庭もあるようです。
20年度実績では、出生通知表が戻ってきた家庭(約7割)についてはほぼ訪問できたようですが、出生通知表が戻ってこない、あるいは訪問を拒否する家庭ほど、子育てに関する情報が届かず、問題を抱えているケースが多いのではないかと考えています。「親の様々な悩みに応え、子育て支援に関する情報提供を行うとともに、親子の心身の状況や養育環境の把握や助言を行う」「未熟児や発達障害児の親、若年あるいは高齢出産で育児に不安がある親、周囲に知り合いがいない、あるいは父親が非協力的な親など、虐待についてハイリスクな親には特に目をかけ、虐待の防止につなげる」という事業の実効性を高めるには、やはり訪問率を上げていく以外に方法はないように思います。
乳児には4ヶ月検診というのがあって、そこでBCG接種も行われています。この接種率は96%ということなので、つまりは4ヶ月目にはほとんどの乳幼児の親子が保健所を訪れることになるわけです。4ヶ月検診では保健師との面談も行われているので、訪問から漏れた家庭の大部分を拾うことが可能だと思います。出生から4ヶ月以内という事業の趣旨からは外れますが、ここでの面談を充実することによって、その後の訪問と様々な支援につなげていくことができると思います。
子育てをしている親の悩みは様々ですが、「子育てに関する情報不足」という点では共通しているように感じます。情報提供と同時に、問題を発見した場合には一時の訪問で終わらせず、適切な支援を行っていくことが、虐待などの不幸な事態を抑止することにつながると思います。
土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp
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