政治全般

2009年8月31日 (月)

「政権交代」これからが勝負です

 昨日行われた衆議院選挙で民主党が308議席を獲得し、念願の政権交代を実現しました。この数は衆議院の定数480議席の過半数を大幅に上回る議席で、さらに野党全体では衆議院の再可決(衆議院で可決後、参議院で否決された場合に衆議院の3分の2の賛成で再可決することができる)が可能な336議席を得ました。まさに、国民の勇気ある選択によって、歴史が塗り替えられた瞬間だったと感じています。

 今回の選挙では、次の5項目を柱としたマニフェストを掲げ、民主党への支持を訴えてきました。

  1. 国の総予算207兆円を全面組み替え、税金のムダづかいと天下りを根絶。議員の世襲と企業団体献金を禁止。議員定数を80削減。
  2. 中学卒業まで、1人あたり年31万2000円の「子ども手当て」を支給。高校は実質無償化、大学は奨学金を大幅に拡充。
  3. 「年金通帳」で消えない年金を確立。年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現。後期高齢者医療制度は廃止、医師の数を1.5倍に。
  4. 「地域主権」を確立、第一歩として地方の自主財源の大幅増加。農業の戸別補償制度を創設。高速道路の無料化。郵政事業の抜本的見直しで地域を元気にする。
  5. 中小企業の法人税率を11%に引き下げ。月額10万円の手当て付き職業訓練制度による求職者支援。地球温暖化対策を強力に推進。新産業の育成。

 民主党は以上の事業を平成25年度までに実現することを公約としており、そのための予算として16.8兆円を見込んでいます。この財源を確保するために、207兆円の総予算の徹底的な効率化と、ムダづかい、不要不急な事業の根絶によって9.1兆円を、埋蔵金などの活用によって5.0兆円を、租税特別措置などの見直しで2.7兆円をそれぞれ確保すると、財源措置を明確に示しています。

 私は、国会の最も大切な役割は、立法府として法律をつくることと同時に、限られた財源の中から、いかに予算の優先順位を付けるかにあると思っています。

 これまで、国の予算編成はほとんど官僚に丸投げされていたため、政治の予算に対する役割は、省庁別に作成された予算を少しだけ削ったり加えたりするだけでした。長年こうしたことを繰り返してきたため、予算は硬直化し、既得権益化し、本当に必要なところに必要な予算を振り分けるという当たり前のことができなくなっていました。

 民主党はこのような予算編成の仕組みを根本から変えることを主張しています。予算は省庁別の既得権益にとらわれることなくゼロベースから構築し、主要な事業に優先的に配分して、さらに残りの予算も官僚が恣意的に天下り団体などにつかわないように、100人以上の議員を役所に送り込んで徹底的に予算編成を監視することにしています。

 16.8兆円の事業について、自民党などは予算のばら撒きで、財源を確保できないなどと批判しています。しかしながら、総予算の1割程度を削減することは、民間企業なら当たり前に行っていることであり、まして、民主党はこれを4年間かけて行うと言っているのです。政官業の癒着にまみれたこれまでの与党政権にはできないことかもしれませんが、しがらみのない民主党なら、必ずマニフェストの達成できると思っています。

 選挙中、自民党は成長力という言葉を使っていました。民主党の政策には経済を牽引する力に欠けるという批判もしていました。しかし、私たちは公共事業偏重で社会保障を削るような自民党の政策こそ成長力を失わせるものだと考えています。真の経済対策は、格差や将来に対する不安を払拭することにあり、そのためには、医療・年金・介護の再生や教育費の拡充などによる将来への投資こそが重要です。

 今回の選挙は、これまでの与党政治に対する明確な対立軸を示した上での戦いであったと自負しています。もちろん、選挙の結果は単純な民主党への支持ではなく、これまでの政治に対する失望や不信感の表れであり、今後、民主党が政権を維持できるかどうかは、まさに今回約束したことを実現できるか否かにかかっています。万が一にも約束が守られなかった場合には、国民の猛烈な批判を浴びる覚悟をもって、民主党は政権運営をしていかなければなりません。そういう意味でも、今回のマニフェストを皆様の心に留めていただき、是非とも達成度を評価していただきたいと思います。

 終わりになりましたが、練馬区からは東京9区の「木内たかたね」と東京10区の「えばたたかこ」が、共に小選挙区で勝利させていただきました。二人を応援してくださったすべての皆様に心から感謝申し上げます。二人も主張してきたように、政権交代はあくまでも手段であって目的ではありません。選挙中に皆様にお約束したことを必ず実現すべく、民主党練馬を挙げて働きます。今後ともご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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2009年7月13日 (月)

都議選の結果に驕ることなく

 昨日行われた東京都議会議員選挙で、民主党が54の議席(現有34)を獲得し、第一党となりました。練馬区では、定数6に対して、野上ゆきえ(現職)、中谷ゆうじ(新人)、あさの克彦(新人)の3名が立候補し、全員が当選。3人で12万6547もの票を獲得しました。

 当日の投票率は都全体で54.49%、練馬区では56.65%でした。練馬区の有効投票数は約31万7500票だったので、約4割の有権者が民主党の候補に投票したことになります。民主党が躍進した一昨年前の参議院選挙で獲得した比例区の票は、投票率59%で12万7千票(投票率約59%)でしたから、今回の都議選で、民主党がいかに多くの支持をいただいたかがわかります。

 今回の都議選にあたり、民主党練馬のなかで「3人擁立」について消極的な意見があったことも事実です。いかに民主党に風が吹いているとはいえ、定数6のところに3人を立てれば票が割れてしまい、現有議席(1名)を2名に増やすこともままならないのではという不安です。議論の結果、民主党の党勢拡大のためにも積極的に候補者を擁立すべきという方針が決まったわけですが、全員当選を実現できると考えていた人は少数だったと思います。結果として、「積極論」が功を奏したわけで、この結果については素直によろこんでいますが、同時に、党員の一人として、今後の責任の重さを痛感しています。

 今、地方議会で一番問題なのは、議会が行政の追認機関になってしまっていることで、それは東京都議会も例外ではなかったと思います。都議会は石原知事の1期目の途中から自民・公明が与党となり、その後、知事は自民・公明との調整さえできれば、すべて議案を通すことができました。民主党が反対や修正を唱えても、新銀行東京への400億円の追加出資や移転先で土壌汚染が見つかった築地市場の移転問題等々について、手をこまねくしかなかった部分がありました。

 そういう意味で、これまでの都議会民主党が、本当の意味で力を発揮できていたわけではなく、今回の躍進も、都政における民主党の活動が評価されたというより、麻生政権に対する不満が噴出した結果と捉えるべきです。都民の民主党に対する期待を、今回限りの「現象」で終わらせないためには、民主党をはじめとする非自公が過半数を獲得した今後の都議会で、議会の本来の役割であるチェック機能を十分に発揮させて行政の誤りを正していくとともに、経済や雇用をはじめ、医療、介護、教育、子育て等々の様々な問題について具体的な提案をしていかなければならないと思います。今回練馬区で当選を果たした3人の都議にも、このことを肝に銘じていただき、互いに協力し合い、切磋琢磨しながら、練馬区と東京都のために精一杯働いてもらいたいと思っています。

 都議選という「決着の夏」の第1章が終わり、同時に8月30日総選挙という情報が飛び込んできました。「東京都から政権交代」という最初の目標は達成されました。この結果に驕ることなく、総選挙勝利に向けて一丸となって頑張ります。

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2009年5月25日 (月)

さいたま市長選

 昨日行われたさいたま市長選挙で、民主党埼玉県連が支持した清水勇人氏が当選しました。得票数は155,966票、次点の現職市長相川氏に約5万7千票もの大差をつけての圧勝でした。

 選挙結果について、さいたま市は元々民主党が強いことや、自民党が実質的な分裂選挙だったことから「国政への影響は限定的」との見方もあるようですが、鳩山代表がコメントしたように「市民の政治を変えたいという思いが実った」結果であり、都議選や総選挙に向けて、大きな弾みがついたことは事実だと思います。

 ただ一つ残念なことは、投票率が42.78%と低調だったことです。市長選挙単独で行われたため、やむを得ない部分があるかもしれませんが、人口120万人を超える大都市の首長を決める選挙としてはいささか寂しい気がします。

 国民の多くが政治にあきらめや不信感を抱いてしまっている状況では、本当の意味で政治を変えることはできないでしょう。国民の無関心を嘆くのではなく、国民に振り向いてもらえるような確かなビジョンを示すことの重要性を、あらためて強く感じます。

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2009年5月17日 (日)

菅直人代表代行来る

 民主党東京都第9区総支部長「木内たかたねが語る会」が上石神井南町のイベントスペース・リプルで開催され、菅直人民主党代表代行をはじめ、小川敏夫参議院議員、野上ゆきえ都議会議員、中谷ゆうじ次期都議選予定候補が集結しました。昨日は、民主党の代表選挙が行われ、鳩山由紀夫氏が選出されたばかり。各弁士から、挙党一致体制で次期総選挙の勝利を目指す決意が示されました。

 最初に挨拶に立った小川敏夫氏は、14兆円にもおよぶ政府の補正予算案について、「あからさまなバラマキであり、財政状況をさらに悪化させるもの」と批判するとともに、「民主党の経済対策は赤字国債を発行して行うは政府案とは本質的に異なる。徹底的な税の無駄遣いの排除や天下り禁止などによって財源を確保し、本当に必要な事業を優先的に行うことで経済を再生させる」ことを主張しました。

 菅代表代行は、新型インフルエンザ対策や地元都議候補の集会など超多忙の日程を割いての出席でした。「今の自民党の議員は官僚を使いこなすどころか、逆に議員が官僚に使われている」とした上で、明治維新前後の歴史にふれ、「江戸時代は地方分権が機能していて、藩のことは藩が決めていた。明治維新以降の軍拡や産業が重厚長大化していく過程で中央集権化が進み、今日では肥大化した官僚組織と自民党の利益誘導体質が完全に一致し、政治が行き詰まっている。今こそ江戸時代のような分権国家に戻すことが必要で、そうすれば中央官僚を大幅に減らし、地方のことは地方自らが決める分権型の新しい国のかたちを作ることができる」との持論を展開しました。

 木内氏は、長年サラリーマンとして金融界で生きてきた経験から、「今の財政は無駄だらけ、民間でも真剣にテコ入れすれば、簡単に3割から4割の経費削減ができる。徹底的に無駄を廃して、「道路やハコモノよりも福祉や教育」の政治を実現すると訴え、本日会場となった地域に計画されている外環道青梅街道インターチェンジについても、地域の人々が誰も求めていないハーフインターに1000億円もかけること自体、金権体質の象徴である」と批判しました。

 会の後半では質疑応答の時間を設け、「代表選の結果が民意を反映していない」などのご意見をいただいたほか、青梅街道インター問題、民主党の広報戦略やマスコミ対策、木内氏や民主党に対する激励など、広範なご意見・ご質問をいただきました。

 本日は、強風・雨模様の悪天候の中、80名を超える方々にご参加をいただき、また、多くの方々に党員・サポータのご登録をいただいました。皆様からいただいたご意見は今後の政策に必ず活かしていきたいと思います。ご支援・ご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。

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2009年5月12日 (火)

小沢代表の辞任について

 昨日、小沢代表が突然辞意を表明をしました。党員の一人である私にとっても唐突なことであり、いまだに気持ちの整理がついていないのが正直なところでありますが、これまで民主党と小沢代表を支えてくださった方々に、ご心配とご迷惑をおかけしていることを心からお詫び申し上げます。

 会見で小沢代表は、「私が代表の職にとどまることにより、挙党一致の態勢を強固にする上で少しでも差し障りがあるとするならば、それは決して私の本意ではない。政権交代という大目標を達成するために、自ら身を引くことで、民主党の団結を強め、挙党一致をより強固なものにしたいと判断した」と辞任の理由を述べるとともに、「民主党にとっては、悲願の政権交代を実現する最大のチャンス」であり、「民主党を中心とする新しい政権をつくり、国民の生活が第一の政治を実現して、日本の経済、社会を根本から立て直すこと。そして、政権交代によって、日本に議会制民主主義を定着させること。その2つが、民主党に課せられた歴史的使命であり、私自身の政治家としての最終目標にほかならない」と、辞任後も政権交代に向け、最大限努力することを表明しました。

 昨日来、私どもの会派にも、小沢代表の辞任について賛否両面からのご意見をいただき、そのなかには「小沢が辞めるなら応援しない」という厳しいご批判もありました。私どもとしては、すべてのご意見を真摯に受け止めながら、少しでも政権交代の可能性を摘んではならないという苦渋の選択だったことを、是非ご理解いただきたいと思います。

 しかし一方で、小沢代表が疑惑についての説明責任を十分に果たしていないというご意見も重く受け止めなければならないと考えています。今後、小沢代表が繰り返し述べてきた「政治資金に関しては、私は一点もやましいことはない。きちんと法に則り処理している」という根拠をはっきりと示すとともに、不透明な「政治とカネ」の関係を断ち切るために、党を挙げて企業献金の禁止を含めた政治資金規正法の改正に取り組んでいくべきと考えます。

 私ども民主党練馬クラブは、今回の小沢代表の決断を尊重するとともに、新しい代表の下、引き続き政権交代に向けて微力を尽くす所存です。何卒、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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2008年11月12日 (水)

ヘリコプター・マネー

 経済学の分野では、ヘリコプターから現金を撒くような、いわゆる「バラマキ政策」を「ヘリコプター・マネー」と呼ぶそうです。

 麻生総理が発表した「新総合経済対策」は、世界的な金融危機に対応するという名目で総事業費規模26兆9千億円、実質的な財政支出5兆円というものでしたが、中でも目玉とされたのは、全世帯へ総額2兆円規模(国民1人当たり1万2000円、18歳以下の子どもと65歳以上の高齢者には8000円を上乗せ)の給付金を支給するという「生活支援定額給付金」です。

 しかし、この方針については、露骨な「バラマキ」という批判が自民党内にもあったほか、「高額所得者に対しても支給する必要があるのか」という疑問が相次ぎ、一時は所得制限を課す方向で検討されました。ところが今度は、高額所得者を対象から外すには税務情報に関する法整備が必要なほか、窓口となる市区町村に煩雑な事務作業を強いることになるということで迷走を続け、結局、所得制限を設けるかどうかは自治体の判断に委ね、制限を設ける場合は、年収から必要経費などを差し引いた所得1800万円(給与収入換算で2074万円)を下限とすることを決めました。この際、問題となっていた「高額所得者に自発的な辞退を促す」点についても、各自治体の判断に委ねられました。

 以上の決定は、麻生総理自ら「年収5000万の人でも高額所得者じゃないという人もいるかもしれないし、500万円でもいらないという人はいるかもしれない。要は本人の意識の問題」と言っていたように、「年収いくらをもって高額所得者とするかが曖昧」といった批判に応えたつもりなのかも知れません。しかしながら、実質的には窓口となる自治体への「丸投げ」であり、所得制限を設けるかどうかで迷走を続けた政府・与党が、最終的に自治体に責任を押し付けたようにしか思えません。

 1800万円という一応の目安は提示したものの、膨大な事務作業を抱えることになる自治体が、さらに所得制限という面倒な作業を引き受けるとは思えません。9年前の地域振興券では15歳以下の子どもがいる世帯や老齢福祉年金を受給している高齢者などに2万円が配られましたが、自治体の窓口に「なぜ自分はもらえないのか」という問い合わせが相次いだということで、おそらく自治体間で横並びの対応が行われると予測され、「もらうかもらわないかは自主的な判断」という構造は何ら変わっていないように思います。誤解を恐れずに言うならば、「ヘリコプターからばら撒かれたお金を拾うか拾わないかはそれぞれの良心に任せる」と言っているようなもので、こんなものは断じて「制度」とは呼べないし、例えば「あの人はあんなにいい家に住んで、あんなにいい車に乗っているのに給付を受けた」など、無責任な噂や疑心暗鬼を生む危険さえあると感じています。

 そもそも、定額給付金は政府のいう「景気浮揚効果」をもたらすかどうかも疑問です。前述の地域振興券では8000億円の予算が使われたのですが、結果的にはほとんど消費の押し上げにはつながらず、景気対策としては完全に失敗に終わりました。給付金が支給されれば一時的に家計は助かるかもしれませんが、給付金が消費に回るのは2、3割という定説があり、景気の先行きや雇用、年金等々、将来に大きな不安を抱える国民が多い中、その多くは貯蓄に回るだろうというのが、大方の専門家の見方です。ほとんど経済効果を見込めない政策に2兆円ものお金をつぎ込むことは、経済対策に名を借りた選挙対策のためのバラマキと断ぜざるをえません。

 民主党の経済対策は、第1段階の8.4兆円にはじまり、4年後には20.5兆円に至る継続的な内需拡大策を打ち出しています。その柱は、義務教育終了までの子ども1人あたり月額2万6000円を支給する「子ども手当」の創出、首都高速、阪神高速など都市部を除く高速道路の料金無料化などです。

 「子ども手当」については、5.8兆円の財源が必要ですが、これによって家計の可処分所得は現在の児童手当との差額4.6兆円が増加し、子育ての経済的負担の大きい中・低所得層の実質所得が増加し、政策実施後3年で0.94%の経済効果を見込んでいます。さらに、近年問題になっている、所得による教育格差の是正や少子化対策にもつながると考えています。

 また、高速道路の無料化によって2兆円の国民負担を軽減でき、物流コストの削減などで0.41%の経済効果を上げるとともに、観光産業や地場産業への効果も期待できます。自民党が打ち出している「土日祝日高速道路一律1000円政策」は、値下げの対象がETC搭載の普通車に限られトラックなどは対象外、平日の全車種を対象とした値下げも示唆しているものの、これでは経済効果は限定的で、何のための値下げか全く理解できません。

 民主党の経済対策について、与党とかわらぬバラマキ合戦だとする向きもありますが、与党のように一時しのぎではなく恒常的な対策で、しかも経済効果を示している点で、全く異なるものです。民主党は一般会計と特別会計をあわせた212兆円のなかから、無駄遣いを徹底的になくし、4年間かけて20.5兆円を国民が真に必要としている新たな政策財源に組み替えることを主張しており、天下り先の温床になっている特殊法人の見直しや道路行政など公共事業の在り方を徹底的に見直すことで、一般会計と特別会計をあわせた212兆円の1割を削減することは十分実現可能だと考えています。

 真の経済対策は、金融、年金、医療、介護、雇用、教育など、国民の将来に対する不安を払しょくすることにあると考えます。目先の選挙結果ばかりにとらわれた与党のバラマキ政策では日本の将来を変えることはできません。民主党の経済対策は、もはや経済対策として機能しなくなった政府・与党の税金の使い道を根本から変えるものであり、国のかたちを変えることにあるのです。

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2008年9月12日 (金)

政権選択の選挙

 福田首相の突然の辞任によって、早期の解散総選挙が現実味を帯びてきました。様々な報道から判断すると、臨時国会の冒頭解散(首相の所信表明と代表質問の終了後)が最も有力で、その場合、9月末か10月初頭の解散、11月2日もしくは9日の投票日という日程になりそうです。

 自民党の総裁選は5人の候補者が出揃いましたが、今日の朝日新聞の世論調査では、「5人の立候補で自民党の印象が良くなったか」の問いには、自民党支持者で「良くなった」が25%、「悪くなったが」が18%で「良くなった」が上回るものの、無党派層では「良くなった」が5%、「悪くなった」が20%ととなっており、この結果を見る限り、今回の総裁選が支持率回復を目論んだ「出来レース」ということを、有権者は見抜いているように感じます。

 さて、福田首相は政権運営のなかで、「民主党が話し合いや審議に応じてくれない」との批判を繰り返し、辞任会見でも同じような話をしていましが、野党が「正しくない」と判断する政策に反対するのは当たり前の話です。逆に、野党が反対する法案についても、国民に理解を得られる自信があるのなら、3分の2以上をもつ衆議院で再可決すれば良いわけであって、この批判は全く的外れです。限られた会期の中で再可決を繰り返すことは事実上困難だとしても、参議院に民主党の多数を与えたのはまぎれもなく国民であり、国会運営に行き詰まったことは、民主党に責任があるのではなく、参院選以前からの与党の失政や不祥事が原因であることはまぎれもない事実です。

 先日、当ブログの読者の方から、次の総選挙は「ねじれを解消して強力な体制で政策を実行するか、ねじれ状態を続けて政治の停滞を許容するかを選択する選挙である」というご指摘をいただきました。さらに、「民主党にチャンスを与えてみようという方向に世論が動くことを期待する」と、力強いご支援をいただきましたが、まさに、次の総選挙は政権選択の選挙であり、民主党はパフォーマンスではなく、明確な「国のかたち」を国民に示すことによって、政権獲得を目指さなければならないと思います。

 私の地元、東京都第9区では、木内たかたね氏の民主党公認が決まりました。慶応大学卒業後、三菱銀行、メリルリンチ証券などの経歴をもつ経済通です。ホームページ等をご覧いただき、木内氏の政策にご理解をいただければ幸いです。

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2008年8月25日 (月)

北京オリンピック閉幕

 17日間にわたり熱戦が繰り広げられた北京オリンピックが24日に閉幕しました。北島康介選手の2連覇、柔道や体操競技での日本人選手の活躍に加え、ウサイン・ボルト選手の世界新記録、マイケル・フェルプス選手の8冠など、心に残るシーンがいくつもありましたが、個人的に最も印象的だったのは、やはりソフトボールの金メダルでした。

 20日に行われた、アメリカ戦、オーストラリア戦で、上野投手は318球を投げていました。決勝戦進出をかけたオーストラリア戦では延長12回まで戦い、サヨナラ勝ちを収めたものの、翌日の決勝戦では、果たして上野投手は登板できるのか、仮に登板できたとしても疲労で長くは続かないのではないかと誰もが考えたと思います。

 決勝で対戦したアメリカは、過去のオリンピックですべて金メダル。世界選手権などオリンピック以外の世界大会でも無敵を誇り、上野投手自身が語っていたように「日本の持てる100%の力が発揮できてはじめて勝てる相手」でした。実際に、今大会でも投手層の厚さやバッティングのパワーでは他の国を圧倒していました。

 決勝戦についてはいまさら語るまでもありませんが、上野投手が見事に投げきり、バックも固い守りで好投にこたえました。打撃面では明らかにアメリカの個々の選手が日本を上回っていましたが、世界一の守備力とチームワークで勝ち取った、本当に価値のある金メダルだったと思います。

 ソフトボールという競技は、お手軽な「野球の縮小版」くらいにしか考えていなかったのですが、ルールなど多くの点で野球に準じていながら、「似て非なるもの」だということに気づきました。ソフトボールは野球よりも塁間が狭い分、スピードを必要とし、ゲームの戦略、とくに攻撃面での戦術は野球と大きく異なります。ゲームの解説を務めた宇津木前監督が、相手のするどい打球が飛ぶたびに「あー」とか「うー」とかいう声を発し、その度にテレビで観ている側も心臓が止まりそうになっていたわけですが、それくらい、ソフトボールにおける「一打」には緊迫感があり、1点の重みは野球以上に重いのです。

 ソフトボールは野球とともに次のロンドン五輪では姿を消しますが、この競技のおもしろさが全世界に伝わり、ロンドン以降の五輪で再び正式種目に返り咲くことを期待して止みません。

 華やかな選手の活躍の中で、大会17日間はあっという間に過ぎてゆき、北京オリンピック前に懸念されていたチベット騒乱、四川大地震、大気汚染、食の安全等などの問題はは忘れられがちでした。大会中にはアメリカバレーボールチームのコーチの義父が殺害されるという事件が起きてしまいましたが、心配されたテロや大きなトラブルはなく、北京オリンピックは全体としては成功といえるかもしれません。

 ただ、開会式の豪華な演出をはじめ、「国家の威信をかけた」オリンピックに若干の違和感をおぼえたのは私だけでしょうか。確かに開会式における一糸乱れぬマスゲームは観るものを魅了しましたが、一方で全体主義的な違和感も感じざるを得ませんでした。56の民族の衣装をまとった子どもたちのほとんどが実は漢民族だったり、少女の独唱が「口ぱく」だったことなど「演出」の部分がわかってしまうと、個々の自由な力よりも、共産党の「指導力」の方が目についてしまいます。また、競技会場は概ね友好的な雰囲気に満ちていましたが、会場を一歩出ると、市民に対する過剰なまでの監視の目が光り、多くの報道陣が拘束されたことも報じられています。

 もっとも、オリンピックに対するある種の違和感は北京に始まったことではなく、中国の体制とは関係なく進行しているものなのかもしれません。メディアを過剰に意識したビジネス重視のオリンピックは1984年のロサンゼルス大会頃から顕著になったといわれていますが、そろそろオリンピックのあり方を見直すことも必要かもしれません。

 ロンドンの次の2016年の大会には、東京が立候補しています。東京でのオリンピック開催には、当の都民からも賛否両論が出ているようですが、今後も招致活動を続けていくなら、ビジネスや国家ばかりが目立つ大会ではなく、競技者一人ひとりの魅力と人間味が感じられるような、平和の祭典にふさわしい運営を目指してもらいたいものです。

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2008年4月29日 (火)

第79回メーデー

 4月26日、渋谷区の代々木公園で行われた「第79回メーデー中央大会」に参加してきました。当日は、公園入口付近で民主党の街宣活動が行われ、参加した衆・参の国会議員や次期総選挙の予定候補者が「後期高齢者医療問題」、「暫定税率廃止」、「格差是正」などについて思いを熱く語り、民主党への支持と次期総選挙における政権交代の実現を訴えました。街宣には東京10区(豊島区・練馬区東部)から立候補を予定している江端貴子さんも参加し、練馬区選出の野上ゆきえ都議らとともに、精力的に自らの主張と党の政策をアピールして回りました。

 今年の大会は「働く者の使い捨ては許さない、みんなの声を力に変えよう」を合言葉に、式典では「自らの可能性を開花できる社会の実現」、「次期総選挙での政権交代の実現」、「世界の恒久平和の実現や人権侵害の救済」、「格差是正」などをうたったメーデー宣言とともに、「ガソリン税等の暫定是率の復活反対」、「後期高齢者医療制度の廃止」、「年金記録問題の早急な解決を求める」特別決議が採択されました。

 賃金などの労働条件の改善が主眼となっていたかつてのメーデーとは若干様変わりし、今回のメーデーでは、格差の是正、世界平和や人権問題など、国際社会全般を見据え、より大局的な見地に立ったスローガンが多く見られました。これは近年の傾向ともいえますが、とくに非正規雇用の増大による雇用環境の悪化は深刻化しており、連合の高木会長も挨拶のなかで、「非正規問題は格差社会是正の最大の課題であり、私たちの職場にかかわる問題だ」と述べ、運動へのさらなる協力を訴えていました。また、中央大会には民主党の小沢一郎代表も来賓として招かれ、党を代表して祝辞を述べました。

<第79回メーデーアピール  民主党代表 小沢一郎>

ご支援に感謝し、「国民の生活が第一」を誠実に実行

 昨年の参議院選挙で参議院第一党の力をいただきましたことに感謝申し上げます。民主党は、みなさんと約束したマニフェストの実行に誠実に取り組んでいます。消えた年金対策や保険料流用禁止、仕事と家庭を両立させる子育て支援、農林漁業の再生、格差の是正など、多くの法案を参議院で可決させ、衆議院に送りました。そして、薬害肝炎・原爆症対策、雇用・労働対策、災害対策、政治資金規正など多くの課題において政府・与党のあやまちを是正させました。民主党はみなさんからご支持いただいた「国民の生活が第一」の政治を行うために、国会で参院与野党逆転の力を発揮させていただいています。

中央集権・官僚支配・利権構造を一掃し、地域主権を確立

 今年4月1日、34年間続いた「暫定税率」という増税の10年延長をストップさせ、ガソリン・経由価格の値下げを実現させました。道路をはじめとする公共事業、特別会計は、官僚や族議員による税金のムダ遣いと中央集権・地域支配の道具となってきました。道路特定財源問題は中央集権・官僚支配・利権構造の象徴であり、国のかたちのあり方そのものです。民主党は、政府・与党が目論む衆議院再議決による「暫定税率」の復活を皆さんとともに阻止し、ムダと利権の徹底排除、地域主権の確立により、国民生活に必要な財源を確保し、地域経済を再生させ、腐敗した政治と行政を一掃します。

国民生活を守り、年金・医療・介護体制を確立

 小泉・安倍・福田と続く自民・公明政権により、勤労者が搾られ、年金生活者が痛めつけられ、多くの人が血の涙を流しています。増税と社会保険料引き上げはとめどなく、医療・介護・福祉政策の後退は目を覆うばかりです。民主党は最低賃金の大幅な引き上げ、労働者保護の派遣法改正、パートなど非正規労働者の雇用・労働条件の改善、障がい者雇用の促進を実現させます。民主党は「後期(長寿)高齢者医療制度」を廃止し、消えた年金記録問題を解決し、自公政権が虎視眈々と狙っている消費税大増税をやめさせ、年金・医療・介護の抜本改革を実現させます。

今こそ怒りを、今こそ政権交代

 「権力は腐敗する」という言葉どおり、自民党と中央官僚による利権と自己保身優先の官僚政治により、地域の活力は奪われ、家計は火の車となり、社会の様々な分野での格差と明日の生活への不安が広がっています。もはや国民の怒りも限界です。政治とは生活です。国民の生活を立て直すには、今こそ政権を代えて、日本を「大掃除」するしかありません。民主党は結党10年を迎え、働くみなさんとともに、国民主導・地域主権・生活第一の新しい日本を実現していきます。みなさん、政権交代、日本一新の大事業を一緒に完成させましょう。

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2008年4月 2日 (水)

道路特定財源について

 ガソリン税の暫定税率が34年ぶりに失効し、ガソリンの出荷時に1リットルあたり約25円が値下げされ、小売価格も順次値下げの方向にあります。租税特別措置法改正案が再可決されて暫定税率が「復活」することになれば混乱は避けられないとの見方がありますが、今後の日本の道路行政を見直すという観点からすれば、今回のことは歴史上画期的な出来事といえます。

 道路特定財源制度は昭和29年に揮発油税収の使途を限定したことに始まる制度で、すでに54年が経過しています。昭和50年前後に暫定税率を設けたこともあり、平成19年度までに国・地方で155兆円の税収を得て、総額で約350兆円の道路整備事業を行ってきました。政府は、今後新たな道路整備計画に基づき、10年間で59兆円の事業を行うとしています。

 与党や国交省は「日本の道路整備は遅れている」といいますが、果たして本当でしょうか。整備率でみると、都道府県道66.7%、市町村道で55.0%と確かに地方道については未整備が目立ちますが、国道の整備率は9割を超えており、ほぼ整備済みといって良い水準にあります。学識経験者の多くも日本の道路整備は「すでに欧米並みの水準」という指摘もあり、決して欧米に比べて立ち遅れているわけではなさそうです。

 それにしても日本の公共事業費(対GDP比)は欧米に比べて極めて突出しています。「行政投資・事業別シェアの推移」(総務省行政投資実績)をみると、1980年に21.3%だった道路事業のシェアは2004年には29.5%まで膨れ上がり、実に予算の3割を道路に使っていることがわかります。また、「公的固定資本形成のGDPに占める割合」をみると、日本は1998年時点で6.2%(仏2.8%、独2.0%、米1.9%、英1.4%)と突出して高く、この多くが道路事業に振り向けられています。

 次に、主要国の「社会保障給付費-対GDP比」(海外社会保障情報)でみると、日本は11.4%なのに対し、米15.4%、英20.4%、独24.3%、仏26.4%、スウェーデン37.9%となっており、また、産業別就業者数国際比較」でみると、建設業の割合が8.9%(他国は5~7%台)と日本が最も高く、逆に保健衛生・社会事業の就業者数は8.7%(他国は11%~16%台)で日本が最も低くなっています。

 以上の統計から言えることは、日本が欧米の主要国に比べても突出した「土建国家」であることです。1980年代ころまでは「不況になったら穴を掘って埋めるだけでも公共事業をやる」というような公共事業の経済効果が言われていたわけですが、近年、その効果は著しく下がったといわれ、実際に公共事業は社会保障や医療・保険と同等の経済効果しかなく、雇用効果については社会保障や医療・保険が公共事業の効果をはるかに上回っているというのが実態です。

 国会の審議を通じて、10年間で59兆円という道路整備中期計画が「まやかし」であることが次々に明らかになりました。例えば、国交省が道路計画の根拠としている「費用対便益(B/C)」は「乗用車一台あたり1時間で得られる効果を3771円」と計算していたり、「全国5000万台すべての自家用車の運転手と同乗者が月収35万円の常用労働者」と計算していたりと、全くあり得ない数値に基づいていて、しかも、これから造る高規格幹線道路1万4000キロと地域高規格道路6950キロがすべてつながった効果、便益を計算しているのです。

 道路特定財源がマッサージチェアやカラオケセットや豪華旅行などに流用されていたなどということはもちろん言語道断ですが、財源の必要性の根拠となる積算も甘い見通しどころか出鱈目としか思えない数値に基づいていたことは大問題であり、10年59兆円という計画を根本から見直すべきです。

 民主党は、単に人気取りや政争の具にするために暫定税率の廃止を訴えているわけではありません。道路特定財源の一般財源化を通じて「この国を本当に変えるのか、変えないのか」という根本的な課題を問うています。国民から預かった税金を、議論もなしに道路に使うのではなく、福祉、教育、環境など幅広い視野に立って、最も時代に適し、地域に適した形での税金の使い道を決めることによって、貴重な税金を最大限効果的に使うことを提案しています。

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2008年4月 1日 (火)

民主党愛知県議の処分問題

 愛知県議会では議員報酬の他に月額50万円の「政務調査費」が支給されていますが、これまで使途を明確にする領収証の添付義務がありませんでした。2月19日から3月24日まで行われた「2月定例議会」において、政務調査費については「3万円以上の支出について領収証を添付する」という条例改正案が審議され、この改正案をめぐって民主党の女性県会議員の処分問題が浮上しています。

 渦中の人物は佐藤ゆうこ議員。昨年4月の統一地方選挙で「政務調査費の全面公開と費用弁償(議会開催中に日額15000円-遠隔地などは上限19600円-支給される)の廃止」を公約に掲げ、初当選しています。

 県議団は条例改正案について「全面公開に向けて一歩前進するのだから賛成するよう」佐藤議員に求めたそうですが、佐藤議員は「前進しているが十分ではない、自らの公約に反する」ということで、同案が採決される議会を途中退席(棄権)しました。この行為が「党議拘束に違反した」とされ、民主党県議団は佐藤議員の除名を含めた処分を検討しています。

 練馬区議会では、政務調査費は月額21万円支給されていますが、1円以上のすべての支出について領収証の添付が義務付けられており、使途についても議会の調査に関する費用や広報費、事務所運営費など厳しく制限され、年度単位で使わなかった金額については返納することになっています。全国的にみても「全面公開」を義務付ける地方議会が主流になりつつありますが、「3万円以上の支出」では、それ以外の費用については納税者に実態の知りようがなく、議員の「ポケットマネー」同然で、抜け道だらけの極めて「甘い」改正と言わざるを得ません。

 さて、除名問題ですが、確かに「党議拘束違反」は除名を含めた処分の対象ですが、「棄権」という行為は、党議拘束と公約の間で悩みに悩んだ苦渋の選択であったと推察されます。また、民主党としても佐藤議員の「公約」を理解した上で公認を決めたのですから、今回の棄権は許容の範囲内であると考えます。まして、納税者の立場からすれば全面公開は至極当然のことであり、これをできなかった県議会こそ責任を問われるべきなのではないでしょうか。

 組織のルールというのはわかりますが、何でもかんでも「処分」の対象にしてしまえば、議員個人の自由な活動を著しく妨げることになります。政党(会派)に所属する議員は組織の一員ではありますが、同時に有権者一人ひとりの負託を受けて活動しているのです。組織の方針と合わない主張をしようとする場合、もちろん組織の説得を図ることは必要ですが、それでも受け入れられない場合、最終的には自らの信念で行動することが政治家には必要だと考えます。民主党県議団の賢明なる判断を期待します。

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2007年12月12日 (水)

都が3千億円の財源移譲に合意

 石原都知事が東京都の財源である法人事業税(約1.3兆円)のうち、3000億円を財政力の弱い自治体に回す政府・与党案に条件付きで合意しました。

 同知事は大都市部にあたる大阪、神奈川、愛知の知事らとともに、今春から浮上した政府案に「都市部の財源を強奪するもの」として強い反発を示していましたが、交通インフラの整備、首都の安全と環境の確保、2016年のオリンピック招致への協力などを条件に、消極的ながら受け入れを表明したものです。

 確かに、地方の経済情勢は非常に厳しいものがあります。都市部では景気は回復基調にあるといわれているものの、地方のとくに中小企業ではほとんど実感できるものにはなっておらず、小泉政権下で行われた三位一体改革による補助金削減等によって、頼みの綱だった公共事業も激減し、都市と地方との格差は明らかに広がっています。

 国会議員秘書として新潟県と関わりがあった私自身、地方の疲弊ぶりを目の当たりにしていました。商店街はシャッター通りだらけ、土木建設業者をはじめとして倒産する会社が相次ぎ、農業は後継者不足もあって先細り、限界集落といわれる超高齢化した過疎の町も急増しています。このような地方の状況を決して放置して良いものではなく、何らかの対策を講じなければならないことは明らかです。

 問題は、財源が有効に使われるかどうかです。今夏の参議院選挙で自民党が大敗した原因には「地方の反乱」という側面もあり、地方の怒りを抑えたいという与党の思惑が見え隠れしています。この財源移譲に加え、来年度予算で地方に大盤振る舞いして選挙に臨むといった見方もあり、理念なき選挙対策であるとするならば、許されることではありません。そもそも、景気浮揚の処方箋として公共事業が有効だった時代は終わったといわれており、地方の再生に直接結びつかない無駄な公共事業に財源が使われるとすれば、今回の措置は全く無意味です。将来の地方の自立につながるような新産業の育成・誘致、持続可能な農業後継者の育成、定住意欲を促進するような地方づくり等につながるような事業にこそ財源が使われるべきです。

 練馬区では、歳入の5.3%にあたる約110億円が都支出金で賄われています。そういう意味で今回の措置は練馬区の財政にも少なからず影響を与えるはずです。東京都の財政は、07年度に約2000億円の基金を積み増す余裕があるとされ、3000億円ほどの移譲なら影響は軽微とする指摘もありますが、いうまでもなく歳入というのは景気動向に大きく左右されるものであり将来の保証は全くありません。今回の措置は「時限的」との条件が付されたわけですが、区行政の持続性を確保するために、自主財源の強化がより求められるようになったことは間違いありません。

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2007年11月 7日 (水)

小沢代表の辞意撤回について

 小沢代表が夕方の記者会見で代表辞任の意思を撤回しました。言葉を慎重に選んでの会見だったように私にはみえましたが、今日始めて国民の前に明らかにされたことを含めて、小沢代表なりに誠実に話し、記者の質問にも答えていたように感じます。参議院選挙で民主党を支持し、二大政党制の一翼を担う党として期待してくださった皆様には、それでも納得がいかないと思うし、私自身、今回の混乱は残念で仕方がありませんが、今後の活動を通じて信頼を回復していくしかありません。

 いろいろな憶測が流れていましたが、今日の会見で明らかになったことは2つあります。ひとつは「2ヶ月前から、自民党から連立についての打診があったこと」。もう一つは「テロ新法に関しては明確に反対する」ことです。また、大連立について福田総理、小沢代表のどちらが先に持ちかけたかについては、小沢代表はあらためて「福田総理からである」と明言しました(二人の言い分は食い違っていますが、一連の流れからいって小沢代表の言葉の方が信憑性があると思います)。

 小沢代表は、最初に連立を打診されたときには、全くその考えはなかったとしています。その考えに変化が起こった最大の理由は、やはり、連立が達成されればテロ新法を含めて、従来の安保政策の転換が図られるという確信を得たという点にあったのだと思います。小沢代表のかねてからの持論であった「国連主導の国際貢献」が実現に一歩近づくという思いは、大連立というある種のリスクを犯してでも達成すべきものと考えたのかもしれません。

 また、「民主党が力不足」とした発言については、政権担当能力がないという意味ではなく、今のままでは政権交代は難しい、つまりは総選挙で勝つことは難しいという趣旨であったと述べました。民主党が政権に参加をして、安保政策の転換を実現することは政権担当能力があることを国民に示すチャンスであり、本格政権にも近づくかもしれないと思った、という趣旨の発言もありました。

 昨日のブログにも書いたように、それでも大連立は最初からあり得なかったのだと思います。それが選択肢の一つとして一瞬頭をよぎることがあったとしても、本当にそれを選択してしまったとしたら、民主党にとって自殺行為であったと思います。今回の混乱は比較的早期に収束しました。というより、最初から辞任に値するようなことではなかったのです。とはいえ、軽々しく辞意を表明し、それを撤回するという行為自体が軽率の謗りをまぬがれません。民主党はせっかくのチャンスを自らピンチに変えてしまいました。「雨降って地固まる」のようにうまくはいかないかもしれませんが、小沢代表を中心にもう一度党が結束して、真に国民のための政治の実現のために頑張るしかありません。

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2007年11月 6日 (火)

大連立はあり得ない

 民主党の小沢代表の突然の辞任会見から2日間が経過しました。私の友人から「第一報」を聞いたときにはわが耳を疑いましたが、一人の党員として今回の事態を残念に思うと同時に、民主党に期待をかけてくださる皆様に対し、申し訳ない思いでいっぱいです。

 ことの発端は福田首相との党首会談でした。密室の話し合いですので、どんな内容が話し合われたかについては、事後の2人の発言や報道を頼りに想像するしかありませんが、どちらが先に持ちかけたかは別として、「大連立」について一定の合意がなされたことは確かなようです。小沢代表はこの話を党の役員会に持ち帰りましたが、報道されているように猛反発にあい、これを不信任と受け止めた小沢代表が突然の辞任表明を行ったというのがこれまでの経緯です。

 一部の報道によると、大連立を前提として国土交通相、厚生労働相、農林水産相などを含む6つの閣僚ポストも用意されていたとされ、さらには、政府はテロ特措法の成立にはこだわらず、「国連決議を前提とした自衛隊派遣しか行わない」という政策の大転換を行うという「確約」を得ていたともいわれています。これらについては、会談後の2人の言い分が食い違っていますが、小沢代表にしてみれば、これだけの「土産」を持ち帰れば党内を説得できると考えたのかもしれません。

 参議院選挙における民主党勝利によって衆参にねじれが生じ、以前のように政府与党の法案が無条件で通ることはなく、難しい政権運営を強いられています。民主党にしても参議院で逆転を果たしたとはいえ、圧倒的な与党多数の衆議院がある限りは自らの政策を実現していくことはできません。大連立を組むことは、ねじれ現象を解消し、安定した国会運営をするための、あるいは、民主党の主張を施策に反映させるための近道ではあり、国民生活の安定や、民主党の政権担当能力を育てるためにも必要であると小沢代表は考えたのかもしれません。しかし、どんな理由があったにせよ、私は大連立には絶対に反対です。

 まず、今夏の参議院選挙で有権者が民主党を勝利させたのは、消えた年金問題や安倍前首相の強引な政治手法など政府・自民党に対する批判であったと同時に、政権交代可能な二大政党制への期待感であって、大連立などでは絶対にありません。参議院選挙後のブログ(7月30日)にも書きましたが、参議院選挙は政権選択の選挙ではないだけに、与党に対する批判をストレートにぶつけやすいという側面があり、与党批判をそのまま民主党に対する信任と受け止めることはできません。民主党は勝利を謙虚に受け止めるべきで、次の総選挙に至るまでの今こそが、まさに民主党の政権担当能力を問われている正念場なのです。

 連立の中でできる政策というのはおのずと限られています。民主党に任せたいと思ってくださる方の大多数は、広がる格差問題や年金、介護、医療など将来に対する不安、天下りや公費天国などを抜本的に解消していくことを望んでいると思います。真の意味での改革を成し遂げるのであれば、政権交代を実現した上で、正々堂々と政策を展開していくべきです。

 日本の政治の最大の不幸は政権交代がないことです。93年に与野党逆転を果たし、細川連立政権が成立しましたが、かつての社会党は自民党に取り込まれ、自民・社会・さきがけの連立政権がこれに取って代わりました。社会党は政権の中で独自性を失い、次々に党是を捨てて結局は消滅の道へと転がり落ちました。民主党は同じ轍を踏んではなりません。大連立によって民主党が分裂するようなことになれば、健全なかたちでの政権交代の可能性は大きく後退してしまいます。民主党が今なすべきことは、自民党との対立軸を明確にし、民主党が目指す「国のかたち」を国民に示すことによって、政権担当能力のある政党であることを証明することです。

 小沢さんが代表に留まるかどうかについて、鳩山幹事長は今日中に結論を出したいと表明しています。しかしながら小沢代表が続投するにしても、「あれだけのことを言っておいて。あの辞任会見は何だったんだ」という謗りは免れません。民主党はせっかくのチャンスをピンチにしてしまったという批判にも返す言葉がありません。小沢代表と民主党は国民に分かりやすい言葉で事の経緯を説明し、混乱を生じさせたことをきちんと詫びた上で、民主党が今後目指す方向をはっきりと示さなければなりません。

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2007年9月21日 (金)

やっぱり変な本会議

 昨日から区議会の一般質問が始まりました。わが会派「民主党練馬クラブ」からは、山田かずよし議員(昨日)と白石けい子議員が質問を終え、明日はかとうぎ桜子議員が質問に立ちます。

 私が質問した第2回定例会のときにもブログで紹介しましたが、一般質問は議員一人につき25分間の質問時間が与えられ、20分間の答弁時間で計45分間で行われています。会議の形式は国会の代表質問と同じで、最初に議員がまとめて質問を行い、それに対して区長をはじめ幹部職員がまとめて答弁するというもので、答弁後の再質問も1回しか認められていません。これでは、議員が役所の答弁に納得できない点があっても十分に質すことができず、一般質問は形骸化していると言わざるを得ません。

 国会の代表質問も同じ形式ですが、国会は委員会中心主義をとっており、法案についての詳細な審議は委員会で行われるため、本会議場における若干の形式主義は容認できますが、委員会で実質的採決が行われない区議会においては、本会議の審議をもっと活発化させるべきであり、その方法として、まずは一般質問を一問一答方式に変えることから始めるべきです。

 本会議場で、質問者が区長や幹部職員に背を向けて質問するという形も不自然です。質問者は議員にではなく行政に対して質問しているのですから、本来は行政に向かって話すべきですし、そもそも、一問一答形式を採用するためには、今の本会議場では、構造上発言者がいちいち演壇に上がらなければならず、あまりにも非合理的で、現実的には不可能です。

 練馬区議会には本会議場の他に全員協議会室という部屋がありますが、議員と行政が円卓を囲むような形になっていて、すべての席にマイクが設置されているので、本会議場よりは活発な議論が期待できます。10月1日から実質的な審議が行われる決算特別委員会はこの部屋で行われますが、私は、本会議も全員協議会室で行うべきだと考えています。

 私は、立候補を決意したときから「議会改革」の必要性を訴えてきましたが、区議会で行われる会議のほとんどすべてが行政について審議される場で、「議会のあり方」について話し合う場は、各会派の代表が集まる「幹事長会」しかなく(議事録は公開されません)、新人議員の私が議会改革を主張する場がありません。そもそも、議員だけが集まって議会改革を語ったとしても、どれだけの自浄作用を発揮できるかは疑問であり、私は、議会改革に関する審議会などを設置して、有識者や区民の意見に基づいて、特別委員会を設置し、公開の場で議会改革を審議すべきだと考えます。

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2007年9月14日 (金)

早期の衆議院解散を

 「前代未聞」、「無責任」、究極の「政権放り投げ」等々、様々なことが言われた安部首相の突然の辞任表明から3日間が経過し、自民党の総裁選がにわかに騒がしくなっています。新聞等の報道によれば、総裁選に意欲をみせているのは、麻生太郎幹事長、額賀福志郎財務大臣、福田康夫元官房長官の3人ですが、現時点では福田氏やや有利という見方が大勢のようです。

 朝日新聞が13日に行った世論調査によれば、「次の首相は誰がよいと思いますか」という問いに、1.麻生氏(14%)、福田氏(13%)、小泉氏(11%)等となっていますが、注目すべきは民主党の小沢一郎代表の6%という数字です。現実には与党が圧倒的多数を持っている衆議院で小沢氏が総理に指名されることはあり得ないわけですから、そのことを分かった上でのこの回答は民主党に対する期待、あるいは自民党に対する批判とみるべきでしょう。現に、同調査の「望ましい政権のかたち」については「民主党中心」が41%で、「自民党中心」の33%を大きく上回っています。

 さらに、衆議院の解散・総選挙については、「早く実施すべきだ」が50%、「急ぐ必要はない」が43%で、前回(7月30日31日調査)のそれぞれ39%、54%だったことをみても、国民の間に早期解散を求める声が急速に強まっていることがわかります。

 安部首相はテロ特措法の期限延長について「職を賭して取り組む」と言っていましたが、参議院選挙のマニフェストでも「延長反対」を明確にしていた民主党は反対を貫く姿勢です。また、野党の妥協を得るために打ち出した「テロ新法」は、自衛隊派遣の国会承認を義務付けておらず、文民統制の点からも問題があり、認めるわけにはいきません。

 自民党は、テロ新法が参議院で否決された場合には、臨時国会の会期を延長してでも衆議院で3分の2の再議決し、成立させる構えですが、自民党が主張するように対米関係や国際貢献のために新法が本当に必要と考えるならば、直ちに衆議院を解散して、国民の総意を得るべきです。

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2007年9月 7日 (金)

台風で委員会が中止に

 関東を直撃した台風9号は、7日午後1時現在で2名の死者と7人の行方不明者を出すなど、大きな被害をもたらしました。首都圏が台風の直撃を受けたのは2005年の8月以来ということですが、今後、被害が拡大しないことを祈るばかりです。

 さて、練馬区議会では、本日予定されていた清掃リサイクル等特別委員会交通対策等特別委員会が中止になりました。両委員会の中止は、台風が接近していた昨日6日にはすでに決定されており、理由は、「台風接近に伴い、その対策にあたるため理事者(幹部職員)の委員会出席が困難」というものでした。

 しかしながら、私としてはこの決定に「ちょっとまてよ」と疑問を持たざるを得ません。もちろん、台風には万全の対策が必要なことは言うまでもないし、幹部職員や議員を含めて万が一に備えることは重要なことですが、私が問題だと考えるのは中止の理由です。「理事者が出席困難」だから委員会を開催できないということは、すなわち「役人がいなければ委員会が開けない」ということであり、明らかに議会軽視です。役人が出席できなくても、当日提案される予定になっていた案件を議員同士で議論することはできるはずです。 百歩譲って、「議員も万が一に備える必要があるから」という理由を付けたとしても、委員会の開催を遅らせるなど、台風の状況によって臨機応変に対応すればいいことであって、前日から中止を決めるのはどう考えてもおかしいと思うのです。

 私は当ブログで「議会が行政の追認機関になってしまっている」ということを繰り返し主張してきましたが、今日の委員会中止決定にもそれが当てはまると思います。早々に中止を促した行政にも問題はありますが、それをあっさり認めてしまった議会もおかしい。もちろん議会の一員として私自身も反省しなければなりません。

 小さなことかもしれませんが、こういうことから改めないと議会改革は遅々として進まないと感じています。

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2007年7月30日 (月)

これからが正念場

 昨日行われた参議院選挙は、改選議席121の約半数に及ぶ60議席を民主党が獲得し、お蔭様で結党以来の大躍進を果たすことができました。非改選議席の49議席を合わせて109議席が民主党の新勢力となり、参議院で第1党を獲得するとともに、参議院における与野党逆転を実現しました。

 私は、比例区の開票立会人として光が丘体育館で行われた練馬区の開票状況を見てきましたが、比例区で民主党が獲得した票は12万7千票を超え、目の前に積み上げられた票に圧倒されると同時に、区民の民主党に対する期待を強く感じてきたところです。 東京都選挙区においても、大河原まさこ、鈴木かん両氏が当選し、とくに私が支援をお願いしてきた大河原さんは新人ながら百万票を超える得票でトップ当選、練馬区でも他候補を圧倒するダントツの得票(68,583)でした。ご支援をくださった全ての皆様に心から感謝を申し上げます。

 党員の1人として、民主党を勝たせていただいたことに心から感謝をし、結果についても素直に喜んでおりますが、同時に、これからが民主党の正念場であり、気を引き締めていかなければならないと思っています。いうまでもなく、参議院選挙は直接「政権選択」に結びつくものではありません。参議院で多数を確保したとはいえ、今後の国会で衆議院で可決した法案を参議院が否決しても、与党が衆議院で3分の2を確保している以上は、衆議院で再可決することができます。もちろん、選挙前の通常国会で繰り返された強行採決などの強引な手法を封じることはできるし、与党も我々の主張に耳を傾けざるを得なくなりますが、民主党の主張を本当の意味で国政に活かすためには、次期総選挙における政権交代が絶対条件です。

 参議院選挙は与党に対する批判を思いっきりぶつけやすいという側面があります。最近の選挙でも、小泉ブームに沸いた6年前の選挙を除けば、比較的民主党に有利な結果が出ているのも事実です。逆にいえば、民主党はこれまで参議院選で得た有利な状況を次の総選挙で活かしきれていなかったということです。今回の選挙でいただいた期待を裏切ることなく、次期総選挙に結び付けていかなければなりません。そのためには「敵失(エラー)」による一時的な支持を、自らの政策と提案(ヒット)によって継続的な信頼へと発展させていく必要があります。

 民主党は秋の臨時国会に向けて、年金保険料を年金給付以外の目的に使用することを禁止する法案や政治資金報告の領収書添付義務を現在の5万円以上から1万円以上に引き下げる法案(現在は、1円以上のすべての領収証の添付義務を課す方針)などを準備しています。さらに、マニフェストでも提起してきた自衛隊イラク派遣の終了(テロ特措法延長反対)、子ども手当てや最低保障年金制度創設のほか、格差是正や教育改革のための具体的な政策を提示して、この選挙でスローガンとして掲げてきた「国民の生活が第一」を実践し、信頼を勝ち取っていかなければなりません。

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2007年6月22日 (金)

無駄な国会会期延長

政府・与党は国会の会期を7月5日まで12日間延長する方針を固め、本日の衆議院本会議で可決される見通しとなりました。参議院選挙前の国会延長は過去にも2度あったようですが、延長によって当初予定された選挙日程が延期されるのは初めてで、極めて異例のことといえます。官邸は、今国会に積み残された社会保険庁改革関連法案、年金時効特例法案、国家公務員法の改正案の3つを何としても成立させたいとしていますが、「消えた年金問題のほとぼりを冷ますための延長」、「夏休みに入れば投票率が下がり野党が不利になる」という思惑が指摘されています。

 政府・与党は5千万件の記録漏れ問題を「1年間で決着させる」としていますが、実は1年間で完了させられるのは宙に浮いた記録の「名寄せ」だけであって、基礎年金番号を持つ人の記録と「統合」する作業は「名寄せ」が終わってからになります(このことは柳沢厚生労働大臣も認めています)。したがって抜本的な問題解決に何年かかるかは全く明らかにされていません。安倍首相がいうように本当に「最後の1件」まで解決するためには、与党が慌てて提出した法案では全く不十分です。民主党は独自の「年金被害者補償法案」を提出していますが、中身については国会でほとんど審議されることもなく、どちらの法案が優れているかということを判断する時間さえありません。国民も早期の問題決着を望んでいますが、「見切り発車」をすれば新たな問題が浮上することは目に見えています。予定通りに参院選を行い、改選後の国会で民主党案を含め徹底的に審議することが、結果として早期の問題解決につながると考えます。

 国会の会期延長そのものに余計な経費がかかりますが、選挙の投票入場券を当初の日程ですでに印刷してしまった自治体も多く、刷りなおしのためにムダな税金が使われることになります。その面からも今回の会期延長は問題視されるべきで、これ以上の「数の暴挙」を許してはなりません。

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2007年6月17日 (日)

年金問題ついて

 年金の記録漏れ問題が連日報道されています。社会保険庁のずさんな体質、年金特例法案をめぐる与野党の攻防にはじまり、「5000タッチ」や45分間パソコンの打ち込みをしたら15分休むという労使間の「覚書」などなど、真面目に年金を納めてきた人たちにとっては怒りを通り越してあきれるばかりの実態が日々明らかになっています。グリーンピアをはじめとする「大規模年金保養施設」の問題や幹部の天下りなど、この問題はあまりにも根が深く、批判をはじめたらきりがないので、敢えて今日は別の切り口で書きたいとおもいます。

 バブル崩壊後、金融機関の倒産や合併が相次ぎ、国民の金融に対する信頼は地に落ちました。低金利の時代が続き、銀行にお金を預けていても「金利よりも手数料の方がかかる」という理不尽にも我慢してきましたが、少なくとも国が管理している年金制度だけは、少子高齢化社会で受給率が下がることはあっても、制度そのものは信頼できると多くの国民が思っていたはずです。国民年金の未納率は30%をはるかに上回り、年金制度改革をめぐって「未納議員」が吊るし上げを食ったことは記憶に新しいところですが、制度上は「きちんと払った人は応分の受給資格がある」と信じていたわけです。

 今回の問題で一番憂慮されることは、国民皆年金制度に対する信頼が著しく揺らいだことです。年金を払えるのに払わない未納者は、「年金を納めたところで将来受給できるかどうかわからい」という「言い訳」をする人が多かったのですが、少なくとも年金というのは基礎年金部分に半分の税金がつぎ込まれているわけで、こんなに有利でリスクのない「金融商品」は他にはなかったはずなのです。

 確かに年金というのは、一定期間払い続けなければ受給資格は得られません。だからといって「無年金者」にも憲法で定めた「健康で文化的な最小限度の生活」は保障されなければならず、生活困窮者には「生活保護」というかたちで別の税金が投入されることになります。もちろん弱者に対しては一定の配慮がなされるべきですが、決して楽ではない暮らしのなかで、きちんと年金を納めてきた人たちにとってみれば不公平感を拭うことはできないし、制度そのものが信頼できないとなればなおさらです。

 社会保険庁を抜本的に改革することはもちろんですが、やはり、年金制度そのものをもう一度見直すことが必要です。年金一元化に向けた動きは相変わらず鈍いのですが、今回の問題で前向きな検討がより必要になったと思うし、より公平・公正な制度を実現するためには年金の税方式化(基礎年基金部分は全額税でまかなう)などについても検討すべきではないでしょうか。

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2007年4月26日 (木)

選挙戦を終えて

 身に余る票をいただいた緊張のあまり、選挙が終わったいまも熟睡できない日々が続いています。「自分はこれだけのご期待に応えられる器なのか」。自問自答しながら、4年間の任期中にやるべきことを再確認しています。

 選挙直後(4月24日)のブログに「お願いするのは候補者ではなく区民の側である」「選挙はお願いします、お願いしますの連呼ではなく、当選したらああしたい、こうしたいということを訴えるべき」というご趣旨のコメントをいただきました。

 確かにそのとおりです。私も後援会のリーフレットや新聞などを通して政策目標を掲げさせていただきましたが、選挙期間中にその内容を伝えられる機会はほとんどありませんでした。「紙爆弾」の選挙も考え物ですが、期間中には「選挙はがき(練馬区議の場合候補者1人あたり2000枚」や新聞の選挙公報の小さなスペースでしか政策を紹介する場がなく、ホームページの更新も禁止されているのが現状です。単に名前の連呼だけでない「政策本位」の選挙をするためにも、公職選挙法の改正は是非必要だと思います。

 公選法の話となれば「国政レベル」の課題になってしまいますが、都知事選がそうであったように「マニフェスト選挙」は条例の改正だけでも可能なはずです。いずれにせよ「連呼型」の選挙には有権者がうんざりしていることが良くわかりました。区民がこちらを向いてくれるのを待っているのではなく、向いてもらえるような選挙と議会に変えなければなりません。

 ブログ(3月16日)でも主張させていただきましたが、今の区議会は単に行政がやることに「お墨付き」を与えるだけの追認機関になってしまっており、このままではますます「形骸化」が進んでしまいます。議員一人ひとりに与えられる「質問時間」は年間を通しても数十分しかなく、議員同士が徹底的に議論する場もありません。最低でも議会の会期を倍以上に増やし、また、区民が直接議会に参加できる場をもっと提供しなければならないと思います。

 今回の練馬区議・区長選挙の投票率は、前回よりは若干増えましたが、それでも2人に1人以上の有権者が棄権しています。有権者にとって一番身近なはずの選挙の関心が低いというのは本当に残念なことです。しかし、私は「無関心」を有権者のせいにするつもりはありません。それよりも区政が、区議会がまず変わらなければならないからです。ただ、選ぶ側ももっと監視の目を強めてほしい。そうでなければ政治や行政の「やりたい放題」を止めることはできません。

 いま、練馬区の地図を眺めています。一口に「ねりま」といっても本当に広いし、人口70万人の大都市です。地域によって抱える問題も様々だし、70万人すべてが満足する区政など無理なことなのかもしれません。しかし、様々な利害を調整し、最大公約数的な政策によって、できる限り多くの区民の要望に応えるのが区政だと思っています。バラマキや口利きの政治はもう終わりにしなければなりません。「わがままが通る政治」から「筋の通った政治」に変えましょう。

 ホームページに掲げた「10の政策目標」を噛み締めつつ、これをより具体的な政策として提案し、実行していきたいと思います。率直なご意見、ご要望とともに、苦言も大歓迎です。

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2007年4月11日 (水)

都知事選挙の結果に思う

 4月8日に行われた東京都知事選挙は、結果としては石原氏の圧勝に終わりました。

 石原都政に対しては、ディーゼル車の排ガス規制や米軍横田基地の共用化など、国との対決姿勢を鮮明にした「豪腕」が評価されていましたが、繰り返される「不適切発言」や独善的ともいわれる政治手法、あるいは都の事業への身内の任用などで批判の声も高まっていました。浅野氏の立候補表明によって、当初接戦が期待された選挙でしたが、「初のマニフェスト選挙」も思ったほど盛り上がりませんでした。

 マスコミ各社が分析しているように、「都民が三たび強いリーダーシップを望んだ」と言ってしまえばそれまでですが、浅野陣営にも戦略的なミスや主張のブレが目立ちました。当初、政党の推薦を拒否していたにも関わらず、その立場を一転させたことや、オリンピックへの態度も不明確な部分がありました。「立ち上がり」の遅れを最大の敗因と分析する声もありますが、「強い現職」に対抗するには、明確な対立軸を示すことが不可欠でした。

 投票率でみれば有力な対立候補が出馬した分、前回よりも上がりましたが、統一地方選挙前半戦を全体でみると、投票率は低下傾向にあり、「低調」な選挙がめだちました。有権者にとって都道府県の選挙というのは、ある意味国政よりも遠い存在なのかも知れません。

 いよいよ15日から練馬区議会議員選挙を含め、統一地方選の後半戦が行われます。有権者にとっては一番身近な選挙のはずですが、練馬区議選の投票率も低下傾向にあります。かつての市区町村は、仕事の6~7割が国の「機関委任事務」で占められ、独自の権限はわずかしかありませんでしたが、地方分権が進んだ今日では、「条例制定権」はもとより、「自主課税権」が認められるなど、権限の幅が格段に広がっています。

 練馬区の予算は一般会計だけで2000億円(介護保険や老人医療などの特別会計を含めると3200億円)、人口70万人の一大都市へと発展しました。区民の明日を決める大切な選挙です、どうぞ棄権されることなく、投票上に足を運んでいただければ幸いです。

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2007年3月16日 (金)

区議会に必要なこと

 宮崎県の東国原知事の行動が連日マスコミをにぎわせています。同知事誕生の背景には福島県、和歌山県、宮崎県と続いた「官製談合」があり、宮崎県知事選挙も、不祥事による前知事の辞任によるものでした。

 行政の側が自ら「談合」に加担すること自体が言語道断ですが、このような事件が起こるたびに思うのが、「行政のチェック機関であるべき議会は何をしているのか」ということです。1月18日に当ブログで紹介したあきる野市の「豪華温泉施設」や、いま、市をあげての反対運動が巻き起こっている群馬県伊勢崎市の「大観覧車」計画もそうですが、このように馬鹿げた計画を「追認」する議会の見識を疑わざるを得ません。

 全国の自治体(市議会)で、条例案のうち議員が提出した案件はわずか4%、また、市長が提出した議案のうち、議会が修正したり、否決した案件は1%とというデータがありますが、練馬区においてもこれまでの資料を見る限り、同じようなことがいえます。これでは、議会は単なる行政の「追認機関」になってしまっているといえ、とても「税金分」の働きをしているとはいえません。

 地方分権によって、区政は大きく変わりました。これまで「機関委任事務」という国の下請け的な仕事が7~8割を占めていた時代は終わり、自治体には自らが決定し自らが行動することが求められています。いま、議会に求められるのは、行政のチェック機能とともに「政策決定能力」です。住民の声を的確に捉え、中長期的視野に立って施策を立案し、前例主義や事なかれ主義を排して良い事はすぐに実行する力が必要です。

 地方議員は住民に最も近い存在でなければいけないはずですが、その距離は近くて遠い。本当に地域の利益のために働いている議員がどれだけいるでしょう。区政を志す者として、これだけは肝に銘じたいと思います。

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2007年1月25日 (木)

教育再生会議が第一次報告

 教育再生会議が24日に第一次報告を提出。これを受けて、25日に召集された通常国会で「教育3法(学校教育法、地方教育行政法、教員免許法)」の改正案が提出されることになりそうです。

 改正の内容は。

  1. ゆとり教育を見直し、授業時数10%増加
  2. 副校長、主幹職の新設
  3. いじめている子どもに出席停止制度などを活用
  4. 高校での奉仕活動を必修化、大学の9月入学を促進
  5. 教員に社会人を積極採用する一方で、教員免許に更新制を導入。
  6. 学校を評価・監査する教育水準保障機関(仮称)を設置
  7. 教育委員会を外部評価する第三者機関を設置 (以上、朝日新聞1/25朝刊より引用)

<ゆとり教育の見直し>

 「学力低下」がいわれている昨今、ゆとり教育の見直しは避けられないと思いますが、授業の「量」はもとより、「内容」を充実させることに力点が置かれるべきです。小学校高学年生や中学生のなかで、「進学塾」に通っている子どもは授業のはるか先の内容を勉強しているため、学校の授業に興味がもてず、真剣に授業を聞こうとしない「しらけ授業」が広がっています。そのような教室のムードは、塾に行っていない子どもまでしらけさせ、ますます学力格差が広がるという悪循環を引き起こしているようです。公立小中学校の場合、学習指導要領に沿った内容で、かつ、クラス全員に興味をもたせる授業を行うのは至難の業といえますが、クラス全体のレベルアップを図るために、「楽しくてためになる授業」を創意工夫する努力が必要です。

<副校長・主幹職新設、教員免許更新制について>

 副校長、主幹職の新設も評価できます。「教員の間に差を設けるもの」として教員組合の反発が予想されているようですが、個々の教員の指導力に差がある以上、やむを得ない措置だと考えます。例えば、ある学年で特定のクラスだけがいじめや学級崩壊などの問題を抱えている場合、子ども自身の問題もさることながら、やはり教師の指導力不足を考えなければなりません。このようなクラスを再生させるためには、学校と親が問題を共有し、一体となって取り組むことが必要です。親としては、まず自分の子どもをきちんと指導すること、学校は一クラスではなく、学校全体の問題として取り組み、校長以下、副校長、学年主幹が責任をもって解決する姿勢がなければ、問題は解決しません。

 上記と同じ理由から、教員免許の更新制も導入すべきであり、また、幅広い社会経験を持った人材を確保するために、新卒だけでなく社会人や研究者の採用も積極的に行うべきでしょう。また、免許更新の際には、「授業を教える能力」はもとより、「クラスを掌握し、指導する能力」がより求められると考えます。

<教育委員会の外部評価>

 教育委員会の外部評価については、若干違和感をおぼえます。未履修問題やいじめの「隠蔽」等々、教育委員会のあり方について問題点が指摘されてきたところですが、そもそも教育委員会自体が「第三者機関」的な役割を果たすべきで、その教育委員会を外部機関が評価することは、屋上屋を架すようなものであり(報告では「当面」の措置とありますが)、教育委員会制度の廃止を含めた抜本的見直しこそが必要だと考えます。

<出席停止について>

 昨今の陰湿かつ悪質な「いじめ」の実態をみるにつけ、いじめに苦しむ子どもたちを守るために緊急避難的な措置として「出席停止」もやむを得ないかもしれません。ただ、最近では「今日までいじめていた子どもが明日はいじめられる側になる」というケースも少なくなく、その境界が極めてあいまいであることを考慮しなければなりません。また、出席停止を通告された子どもは「札付きの問題児」扱いされ、学校はおろか地域社会からも異端視されて、更正の芽を摘んでしまうことにもなりかねません。

 そもそも、特定のいじめっ子を学校から排除すればいじめはなくなるのかという本質的な問題を考えてみるべきです。「いじめのない学校」というのは理想論かもしれませんが、「処分」を考える前に、いじめの起こらない学校を、学校、親、地域が一体となって作り上げる努力が大切です。

<教育制度の抜本改革を>

 今回の報告は、一部に評価できる部分もありますが、日本の教育制度が抱える抜本的な問題(学歴至上主義、教育格差、入るに厳しく出るに易しい大学教育等々)にはほとんど触れていません。「報告」の内容はいわば対症療法であり、日本が将来に向けて多様な能力をもつ人材をどのように作り上げるかという理念が足りないような気がします。

 本来教育は豊かな未来を築くための手段であり、目的ではないはずです。日本の教育は良い学校に入れることが目的化してしまって、一番大事な「それぞれの人生を生きる力」を教えてこなかったような気がします。「良い学校」に入ることは、そのために努力したというだけで充分に賞賛されていいと思いますが、もっと大事なのは、それまでよりもずっと長い人生をどのように生きていくかであり、これこそが教育再生を進めていく上で最も重要な視点だと思います。

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2007年1月22日 (月)

納豆は悪くないのだが

 1月16日の当ブログでも少しふれましたが、フジテレビのあるある大辞典で7日に放送された「納豆にダイエットや若返り効果がある」という番組内容に「捏造」があったことがわかりました。実験データや写真、研究者のコメントがほとんどデタラメだったということで、昨日の番組を休止して「謝罪放送」が行われましたが、メーカーや小売店、消費者から抗議の電話やメールが相次いでいるようです。

 私自身、7日の放送は観ていませんが、納豆に含まれるポリアミンという成分にダイエット効果があるということや、効果的な食べ方が紹介されていたようです。番組放送後、全国の小売店で納豆が軒並み品薄となり、納豆を「買占め」にかかった消費者も、増産体制を急いでいた生産者も「捏造番組」に踊らされる結果となってしまいました。

 消費者にしてみれば「信用していたのに騙された」、また、生産者にすれば「せっかく増産体制を準備したのに」ということになるのでしょうが、納豆はもともと健康食で、ダイエット効果はともかく、従来いわれてきた効果には何ら疑いをもつ必要はないわけですから、消費者にも生産者にも冷静な対応をお願いしたいものです。

 それにしても許せないのは番組制作者です。現代人は「やせる」という言葉にひじょうに弱い。そんな視聴者心理を悪用した無責任かつ悪質な行為であり、猛省を求めます。過去にもテレビ番組の捏造や「やらせ」が問題になったことがありますが、このようなことが続けば視聴者は混乱し、マスコミが報じる情報を信用することができなくなります。現代社会において、とりわけテレビの影響力は強大です。今回の不祥事は、そのような社会的影響力を軽視し、「視聴率至上主義」が生んだ結果と言わざるを得ません。

 また、一部には「番組内容」が事前に大手流通業者や生産者に流れており、大手スーパーを中心に大量の買占めに入っていたという噂もあります。これが事実だとすれば、流通業者や生産者も「被害者」を装うことはできません。いずれにしても、この手の不祥事でいつも被害を受けるのは、零細の生産者や小売業者、そして消費者であることを忘れてはならないでしょう。

 今日、もうひとつの話題は、なんといっても「そのまんま東」です。宮崎県の「官製談合事件」に絡む前知事の辞職を受けての出直し選挙であり、「しがらみのなさ」をアピールしたそのまんま東さんが、分裂した保守2候補を抑えて大勝しました。

 この知事選の前から、東氏の政界進出がいわれていましたが、過去の女性問題や離婚などの悪評も一部で囁かれ、実現度を危ぶむ声もあったようです。今回も、立候補を表明した当初は冷ややかな見方がありましたが、「脱芸能人」と「脱談合」を訴えた姿勢が徐々に評価されたようです。

 ただ、知事としての手腕は未知数ですし、今回の「大勝」は、これまでの県政に対する県民の怒りの現れという見方ができます。選挙戦では「談合を防ぐための入札制度改革」や「年間350億円の予算削減による財政再建」などを公約に掲げていたようですが、県民の期待に応えるために、ぜひとも初志を貫徹してほしいと願います。

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2007年1月10日 (水)

地方議会を変えよう

 1月4日に告示された山梨、愛媛、宮崎3県の知事選挙で、民主党はいずれも独自候補を立てることができませんでした。とくに宮崎県は、知事の談合疑惑に伴う出直し選挙だけに、民主党の「首長選で自民党と相乗りしない」という原則はもとより、有権者の選択肢を広げる上でも、絶対に対立候補を擁立しなければならない選挙でした。

 ただ、以上の3県に限らず、他県や市町村を含め、地方議会は実質的な「オール与党体制」というかたちが多いのが現状です。全国市議会議長会の調査によれば、04年に提出された条例案のうち、議員が提出したものはわずかに4%、また、市長(行政)が提出した議案のうち、議会が修正したり否決したのはたったの1%でした。つまり、現行の地方議会は役所が提出した議案を単に「追認」するだけの機関になっているということです。この傾向はとくに地方で顕著ですが、練馬区を含め、都市部で「野党」が存在する議会であっても、数の力によって、ほとんど役所の原案通りに議決されているのが実情です(参考=平成18年練馬区議会定例会で議決した議案一覧)。

 「どうせ議会が追認機関なら与党でいた方がいい」「無理に対立候補を立てて、落選候補を応援すれば議会内で影響力を行使できなくなるかもしれない」というのが「相乗り議会」における議員たちの本音ではないでしょうか。福島、和歌山、宮崎と相次いだ一連の不祥事は、首長と相乗り議会との「なれ合い」が招いた結果といえるかもしれません。

 地方議会は地域住民の代表によって条例や予算を策定し、それを執行する執行機関(役所)を監視することが最大の役割のはずです。また、議会は民意を反映させるための「住民参加」の場であり、本来、住民にとってのより所は、執行機関である役所よりも、議会であるべきですが、現行の地方議会はほとんどその役割を果たしているとはいえません。議会本来の機能を発揮させるためには、まずは緊張感のある議会環境が必要であり、そのためには「オール与党体制」をなくすと同時に、議員自らが条例案等を積極的に提案し、民意に問いかけることが不可欠です。

 2000年の分権改革以降、自治体の権限は飛躍的に拡大しています。また、住民ニーズの多様化や格差の拡大によって、「最後のセーフティーネット」であるべき基礎自治体(市区町村)の役割は今後ますます重要になります。議会に身をおく者は、常にこれらのことを念頭に置き、住民の声に耳を傾けながら、具体的に政策に反映させる努力を怠ってはなりません。同時に、いかに議会改革を行ったとしても、住民の参加と監視がなければ本当の意味で民意が反映されることにはなりません。議会を変えることは行政を変えることであり、そのために最も重要なことは、やはり住民参加なのだと思います。

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2006年12月19日 (火)

「格差」を無視する安部政権

 先週、安部政権で初の税制改正の内容が明らかになりました。総額約1兆円の減税のうち、減価償却制度の見直しによる減税が約6000億円、証券税制の優遇措置の延長分が3000億円になっているのに比べ、家計に影響のある減税は住宅取得にかかる特例の延長約80億円、所得税の寄付金控除の拡大約7億円など、極めて企業に厚く、家計に薄い減税内容になっています。

 最も恩恵を受ける企業の減価償却に関し、政府は、企業の国際競争力に配慮して「他の先進国なみにした」としていますが、家計に対するわずかな減税については、住宅を購入する人や、(政治家の寄付も含め)なんらかの寄付行為を行った人にしか恩恵は及びません。

 道路特定財源(3.5兆円)の一般財源化についても、来年度は2500億円以下ということが決まり当初の案からすれば大幅に後退しました。また、来年の参議院選挙を意識してか、消費増税など減税分の財源についてはついに触れずじまい。財政再建が急務であるにもかかわらず、相変わらず無責任な決定であるといわざるを得ません。

 一方では、メガバンク3行(三菱東京UFJ、みずほフィナンシャルグループ。三井住友銀行)が、政治献金を再開することが明らかになりました。自民党はこの3行プラスりそな銀行から総額80億円もの借金がありますが、「返済の一部を銀行が負担する珍妙な構図となり(朝日社説)」、企業に手厚い今回の減税や、過去に出した損失の繰り延べを認める税制(これにより銀行は法人税を払わずにすんでいる)への「返礼」と受け取られてもしかたありません。

 「98年以降の銀行への「公的資金投入」については完済されており、もう「みそぎ」は済んだと考えているのかも知れませんが、預金者にしてみれば相変わらずの低金利の上に多額の手数料を取られ、「タンス預金」の方がマシだと思っている最中。「その分を預金者に還元しろ」という言いたくなるのが人情でしょう。

 さらに、政府は来年度の地方交付税を7000億円削減する方針とのこと。景気回復による地方税の増収を見込んでのことといいますが、交付税はいわゆるヒモ付きでない(用途が決められていない)という意味で地方にとっては大切な財源です。政府が大企業・大都市優先の税財政政策を取るなかにあって、地方はいわば最後のセーフティネットであり、地方分権の流れからいっても、削減には慎重な対応が求められます。

 景気は回復したといわれていますが、それは一部の大企業や大都市においてのことであり、多くの中小企業や地方はまだまだ厳しく、景気回復を実感できてはいません。小泉政権が「格差拡大」の元凶だったという議論には様々な見解があるようですが、安部政権になって格差を是正させる方向に政策が誘導されているかといえば、全くそうなってはいないようです。

 小泉前首相は「改革なくして成長なし」ということを繰り返してきましたが、成長による利益は一部の人にしか享受されていないというのが現状です。「努力した人が報われる社会」は目指すべき方向として間違ってはいませんが、人間の努力には「希望」が必要です。あまりにも格差が広がれば希望は失われ、「努力しても報われない社会」になってしまいます。

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2006年12月14日 (木)

「やらせ」タウン・ミーティングの結末

 教育基本法改正をめぐって明らかになったタウン・ミーティングの「やらせ」問題。小泉政権下の2001年6月から今年9月にかけて174回開かれ、そのうちの6割にあたる105回の会場で参加者に対し事前に質問を依頼するなどの「やらせ」が行われていました。

 いかにも「事なかれ主義」の役人がしそうなことだなというのが最初の印象でした。今回問題になっているのは国会の外の話ですが、国会でも、本会議や委員会で質問する議員には、事前に「質問とり」が行われるのが通例です。もちろん、質問する側が事前に全てを明らかにする必要はないのですが、答弁する側(政府)が「事前の通告を受けていない」という理由で回答を逃げることを避けるために、そうぜざるを得ないのが実情です。

 今の国会では、国民の代表たる議員同士の議論を活発化するために、質問者から承諾を得ない限りは「官僚」が答弁することは認められていませんが、「質問とり」を元に答弁を役人が書き、大臣がそれを読み上げるだけなら、実質的には官僚が答弁していることとなんら変わりはありません。

 小泉前首相は、官僚が用意した原稿を無視して、自分の言葉で答弁することもありました。「ワン・センテンス・ポリティクス」といわれた手法は、わかりやすい言葉で煙に巻き、本質を捉えていないという批判もありましたが、自らの言葉で答える姿勢が国民から支持されていたことも事実です。

 タウン・ミーティングは与党内よりも国民の支持の上に成り立っていた小泉政権を象徴していたといえます。しかしながら、「国民との対話を重視する」という美辞麗句とは対極にある「やらせ」が行われていたことは、タウン・ミーティングが単に「小泉劇場」の装置のひとつに過ぎなかったことを認めてしまう結果になりました。

 タウン・ミーティングの運営は民間の広告会社に委託されていましたが、平均の費用は1千100万円ということで、総額20億円以上の税金が投入されていたことになります。これが「政府と国民との対話」という本来の目的に使われていたとすれば無駄とはいいませんが、最初から落とし所が決まっている「ガス抜き」の集会どころか、官の質問を官が答えているような「やらせ」なら、端からやらない方がマシでした。

 私が新潟6区選出の筒井信隆衆議院議員の政策秘書をしていたときにこんなことがありました。2002年2月25日の予算委員会でBSE対策に関する集中審議が行われていたときに、たまたまみつけた新聞記事(ロシアの漁船が北方領土付近で密漁を行い、偽のポートクリアランス(通関証明書)を使って釧路や根室に輸出している)をもとに、1時間の持ち時間のうち、最初の5分間だけ質問しようということになりました。委員会の当日でしたから、その記事について質問するということだけを農水省と外務省に伝え、急遽、農水大臣と水産庁長官の答弁を求めたのです。ところが、いざ委員会がはじまってみると、長官の答弁はしどろもどろで、大臣の答弁も要領を得ずたびたび委員会が中断される始末。痛いところをつかれ慌てふためいているのが明白でした。結局、その日はBSE関連の質問には触れることなく、持ち時間全てを「密漁・密輸問題」に費やすことになったのです。

 質問の後、現地(釧路や根室)からの情報(電話等)が後を絶たず、急遽私は北海道に飛び情報を集めましたが、その中には密輸する際の偽造通関証明書の現物などもありました。それらの情報をもとに後日質問したときには、水産庁は「密漁の事実を知りながら有効な対策をとらなかった」ことを事実上認め、事前に日露当局間で通関の情報を交換し、偽造証明書が使えなくなるようにすることを約束させました(現在は政府が発行する積出証明書が必要です)。

 今にして思えば、あのとき事前に質問を詳しく通告していたら、周到に答弁が用意され、のらりくらりと質問をかわされていたかもしれません。どんな質問が飛び出すかわからないからこそ、質問する側と答弁する側の双方に緊張感が生まれるのであって、国会の中であれ外であれ、そういう環境づくりこそが求められていると思います。

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2006年12月 5日 (火)

それでも「復党」は許されない

 郵政民営化に反対し、自民党を離れていた無所属の衆議院議員11名が自民党に復党しました。「復党問題」に関しては11月7日の当ブログでもふれましたが、今回は別の切り口で考えてみたいと思います。

<党議拘束について>

 東西の冷戦構造が崩壊して以来、政党は明確な対立軸を失ったといわれています。自由主義か社会主義かという体制選択の時代が終わりを告げ、また国民の価値観が多様化したことにより、政党間の政策の違いが徐々に小さくなってきたわけです。最近よく「自民党と民主党の違いがよくわからい」ということを耳にします。しかし、欧米の政党がそうであるように、ある程度成熟した社会において政党間の違いが不明確になるのは自然なことで、現代社会においては、政党間よりも「地域間」「世代間」の違いの方が大きくなると私は考えます。

 「地域間」でいえば、その典型は公共事業です。例えば高速道路の建設について、都市住民は「これ以上税金を使ってムダな高速道路を作るべきではない」と考える人が大勢ですが、地方にとっては「地方の振興を図るためにも高速道路は必要だ」ということになります。また、少子高齢化の時代にあって、若年層が望む政策と高齢層が望む政策の隔たりが大きくなっています。例えば年金問題でいえば若年層は「自分たちが受給世代になるころの年金は覚束ないのに高額所得者でさえ多くの年金をもらっている」という不満が多いようですが、高齢層にとってみれば「自分たちが納めた年金をもらうのは当然の権利」ということになります。

 さて、「党議拘束」とは「賛否について所属する政党の方針に従わせる」ことであり、日本が議院内閣制を採用している以上は、ある程度の拘束はやむを得ないと思います。しかしながら、どんな法案に対しても賛否が拘束されるのだとすれば、政治家は政党に所属して議席を得た時点で「思考停止」を強いられることになります。もちろん、採決前に議論する場はあるわけですから思考停止は言い過ぎかもしれませんが、議論を尽くしてもなお党の方針に従えない場合は、自らの信念を貫くべきではないでしょうか。また、政党としても、有権者が選択しやすいように個々の政策についてきちんと方針を固めておくべきですし、賛否を一致させるために最大限努力すべきですが、それでもまとまらない場合は党議拘束をはずす方が、より国民の声を代弁できるのではないでしょうか。

 ちなみに、大統領制を採るアメリカでは共和党も民主党も原則として議員個々の判断で賛否を決めています。アメリカのように広大な国土をもち、人種も多様な国では、党議拘束で縛ること自体不可能であると思われます。

<それでも復党は許されない>

 郵政民営化はまさに政党間を超えた、地域間、世代間の相違だったと思っています。自民党で法案に賛成した人でも積極的な賛成から、消極的、あるいは(公認を取り消されるので)やむを得ず賛成した人まで様々でしたし、反対した人のなかにも民営化そのものに反対ではないという人もいました。また、民主党は反対という部分では一致していたものの、その理由は小泉民営化より徹底的な民営化を進めるべきという立場の人から、過疎地の郵便局がなくなるから民営化そのものに反対する人までおりました。いずれにせよ、結果として公認をもらえなかった自民党議員のなかには、支持母体の支援を失うことが怖くて賛成できなかった人もいるでしょうが、最後まで信念を貫いた人についてはきちんと評価されていいのだと思います。

 小泉前首相は、この復党騒動に静観を決め込んでいるようです。新人議員の集会では「議員は時には使い捨てにされることも覚悟しなければならない」という趣旨の発言をしたそうで、「非情」ともいわれていますが、私はある意味この言葉は正しいと思っています。小泉チルドレンにしても、「小泉後」の自民党に復党問題が浮上するのは充分に予測できたことだし、そもそも「間違って」当選してしまった人も多いのでは?というのが有権者の率直な感想ではないでしょうか。

 しかし、それでも「復党」は間違っていると思います。解散の手続がどうであれ、「刺客」の是非がどうであれ、有権者は郵政民営化を軸として守旧派か改革派かという選択を求められ後者を選んだのであり、これをないがしろにすることは有権者への裏切りとしかいいようがありません。復党を認めれば国会における自民党の勢力はますます大きくなるわけで、自民党に投票した有権者もそこまで許すとは思えないし、「刺客騒動」は結果として自民党を大勝させるための演出だったといわれてもしかたありません。

 喉もと過ぎれば。。。といいますが、「小泉過ぎれば元の自民党」ということでしょうか。

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2006年12月 4日 (月)

「談合」をなくすために

 福島県知事の収賄、和歌山県の官製談合で知事が逮捕された事件に続き、宮崎県の官製談合で出納長らが逮捕されたことを受け、昨日(3日)宮崎県知事が辞職を表明しました。

<そもそも「談合」とは>

 そもそも公共事業をめぐる「談合」は、なぜ後を絶たないのでしょう。都道府県や市町村などの自治体が公共事業を発注する際には、通常「入札」が行われますが、その際、自治体は「予定価格」を公示し、この価格に対して最も安い額で入札した業者が事業を受注することになっています。例えば、練馬区が区道の改良工事を1000万円で発注したとして、A社が900万円、B社が800万円、C社が700万円で入札すれば、C社がこの工事を受注するわけです。もちろん、競争入札ですから、いくらで入札したかは本来秘密のはずですが、あらかじめ3社が話し合って受注する会社を決めておくのが「談合」です。この場合、A社が990万円、B社が985万円、C社が980万円というように、予定価格にできるだけ近い額で工事を受注できるようにするわけで、C社はより多くの利益を得ることができ、そのかわりに、他の工事は他社にまわすとういうように、同業者が共栄共存を図るために「談合」は行われてきました。ちなみに、こうした過程に何らかのかたちで役所が関与しているのが「官製談合」です。

 もちろん「談合」は違法ですし、これまでにも多くの事件が摘発されてきましたが、公共事業の減少など土木建設業者にとって厳しい時代の到来で、生き残るためのいわば「必要悪」として談合は根強く残っていました。今年1月の独占禁止法改正で談合規制は一層強化されましたが、それでも今回のような事件が後を絶たないのが実態です。

<談合の温床となる「指名競争入札」>

 公共事業の入札方法には指名競争入札と一般競争入札がありますが、指名競争入札はあらかじめ発注者(自治体等)が入札業者を指名する方法で、指名されなかった業者は入札に参加できません。一方、一般競争入札は原則としてオープンで、自由に入札に参加することができます。指名競争入札の場合は、入札する会社があらかじめわかっているわけですから、談合が行われやすくなるのは当然です。

 もちろん、一般競争入札でも談合が行われる可能性はゼロではありませんが、「NO」と言う会社が1社でもあれば談合は成立しないのですから、公共事業はすべて一般競争入札にすべきです。これに対し役所側は、業者の能力が一定水準を超えていなければ事業を任せられないので指名競争入札もやむを得ないといいますが、業者の能力は入札完了後でも精査できるわけで、指名入札をやめない理由にはなりません。すべての公共事業を一般競争入札で適正に行えば、公共事業の総額を現行の7割から8割にできるという試算もあり、国も地方も多くの借金を抱える現状にあって、必要な公共事業を必要な額で行うようにすることは急務です。

<産業構造の転換を>

 前述したように、土木建設業者の業績が厳しい背景には公共事業の減少もありますが、地方も含めて国内のインフラ整備が一段落し、国民のニーズが「ハード」から「ソフト」に変わってきたことが最大の理由だと思います。土木建設業者はピーク時の60万社から50万社に減ったそうですが、それでも多すぎるといわれており、産業構造の転換がなされなければ、談合がなくならないばかりか、潰れる会社がますます増えてしまいます。

 自由競争の世にあって会社が倒産するのも「自己責任」といってしまえばそれまでですが、会社が倒産し路頭に迷う人が増えれば、むしろ社会的コストは増大してしまいます。いま、土木建設業者のなかには、これまでのノウハウを応用して、建築廃材などを活用したバイオマス・エネルギーやバイオ・プラスチックの開発等々、「エコ産業」に事業展開する会社が増えています。政府や自治体は、このような事業展開を積極的に支援すべきですし、また、職を失った人たちへの対策(職業訓練やその間の生活保障の充実など)も強化すべきです。

<監視体制の強化を>

 知事や市長など自治体の長は行政の責任を一手に担っているという意味で、その権限は絶大です。ある意味で、議院内閣制における総理大臣よりも、権力が集中しているといえます。つまりは首長の「天の声」ひとつで行政が大きく変わるわけで、私たちは慎重に首長を選ばなければならないと思います。また、首長には収賄などの誘惑を断ち切る正義が求められますが、私たち住民も、不正を許さず、血税がムダに使われないように監視を強化しなければなりません。そのためには住民の代表たる「議会」の強化が不可欠です。多くの自治体に見られるように与野党「相乗り」で、口をあけて「おこぼれ」を待っているようでは行政のチェック機関としての議会の役割は全く果たせません。議会内のイエス・マンを優先して公共事業を振り分けるような首長には今すぐ辞めてもらわなければなりませんが、同時に単なる「追認機関」でしかない議会は直ちに解散すべきです。

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2006年11月 7日 (火)

郵政造反組の自民党復党問題

 「やっぱりなぁ」という感じです。こうなることは昨年の総選挙のときから十分に想定されていました。

 いうまでもありませんが、事の発端は「郵政民営化法案」でした。昨年の通常国会で、小泉前首相が提出した法案が参議院で否決されたことを受けて、衆議院を解散。反対した議員の選挙区に「刺客」を立て、結果としては自民党が圧勝しました。

<「郵政選挙」とは何だったのか>

 復党問題を云々する前に、そもそも小泉前首相が行った郵政民営化とは何だったのでしょう。

 小泉前首相は、郵政大臣になった92年。「郵政事業には年に5~6千億円の税金が使われている」とぶち上げ、以降、独自の民営化論を展開してきました。しかしながら、郵政事業そのものに税金が投入されてきたという事実はありません。

 郵便局が預かる郵便貯金や簡易保険のお金は、財政投融資というかたちで政府系金融機関や特殊法人に流れ、その無駄遣いぶりや不透明性、あるいは特殊法人が天下り先の温床になっているなど多くの批判にさらされてきました。この財投資金が政府系金融機関などに「低利融資」される際、利子補給として税金が使われていたことは事実ですが、だからといって「郵便局に税金が使われている」というのは論理が飛躍しすぎ、というより明らかに間違いです。

 昨年の総選挙で民主党は「小泉郵政民営化」に反対しましたが、選挙中、「なぜ行革(財政再建)を推進すべき民主党が反対するのか」という意見が後を絶ちませんでした。単に公務員の数を減らすことを行革というなら、郵政民営化もそうに違いありませんが、少なくとも「経費削減」になるわけではありません。また、財投についても2001年の改革で、郵貯などの運用部預託義務が廃止されたため、民営化によって財投資金の流れが劇的に変わるわけでもなくなりました。それらを説明すると、今度は逆に「なんでそのことをもっと宣伝しないんだ」と怒られることもありましたが、いずれにせよ、小泉郵政民営化には、このような誤解が多かったことは間違いありません。

<国民はなぜ小泉を支持したのか>

 繰り返しになりますが、郵政事業には職員の給与を含め1円の税金も補填されていなかった(郵便事業は赤字だが郵貯、簡保の利益で補填していた)。そういう意味で巨額の赤字を抱えていたかつての国鉄とは違います。とりわけ郵便事業の公益性を考えれば、「なぜすぐに民営化しなければならないのか」という意見があっても全く不思議なことではありませんでした。

 「郵政よりも優先すべき課題がある」という声もありました。参議院で法案が否決されたのに衆議院を解散するのは筋違いという批判もありました。それらを一切無視して解散に打って出た。さらに自民党総裁として、法案に反対した者を公認しないどころか「刺客」まで放った。私としては正直「そこまでやるか」と恐怖すら感じましたが、そんな自民党、いや小泉を国民は支持したのです。

 マスコミなどは、郵政民営化だけを争点化した分かりやすさや、造反組と刺客の対決の構図を「小泉劇場」と称し、普段は政治に関心のない層の支持をも取り込んでの勝利と分析しています。たしかにそういう面はあったと思いますが、実は、多くの国民にとって郵政民営化自体はどちらでも良かった。少し乱暴に思われるかも知れませんが、事実、解散前の世論調査では郵政民営化よりも福祉、治安、教育などに対する関心の方が圧倒的に高かったし、選挙中に私が話した多くの有権者の反応もそうでした。

 それでも小泉前首相が支持されたのは、守旧派への対決姿勢を鮮明にするある種の「潔さ」だったと思います。「改革、改革」と叫びながら、既得権や議席を守ることに躍起になっている政治家に嫌気がさしていた国民にとって、小泉郵政民営化は守旧派と改革派の対決の象徴でした。

<小泉自民党と安倍自民党は別物?>

 造反組の復党が求められている背景には来夏の参議院選挙があるといわれています。つまり、造反組のなかでも大物といわれる人たちの強固な地盤がないと選挙で苦戦するという理屈です。ただ、私は単純に、「変人」小泉が去った後、ある意味で「普通」の安倍氏が首相になり、自民党も「普通」に戻るのだから、もともと仲間だった「造反組」が復党するのは当たり前という空気を感じます。「小泉チルドレン」たちは、このような自民党の動きに猛反発しているようですが、党内の重鎮にしてみれば、「もともとバブルで当選してきたような連中が大きな顔をするな」というのが本音でしょう。

 安倍総裁が復党をと認めることは、完全なる小泉劇場の幕引きを意味します。一部には郵政民営化賛成を復党の条件にするという意見もあるようですが、必ずしも郵政民営化を支持したのではなく、「改革者」としての小泉を支持した人たちにとっては、復党を認めること自体が裏切り行為になります。もし、解散から選挙に至るまでの小泉前首相のやり方が行き過ぎだったとするならば、自民党はそのことを総括し、小泉自民党と安倍自民党は違うということを鮮明にしなければ、なし崩しと言われても仕方ありません。

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2006年10月12日 (木)

個人情報保護法と匿名社会

<国勢調査の信頼性が揺らいでいる>
 昨年10月に行われた国勢調査で、調査票を提出しなかった世帯が、東京都の8区市で20%に達し、都全体でも11.3%(約57万世帯)に上りました。
 都によると、マンションのオートロックや単身・共働き世帯の増加によって、調査員が対象者に会えないケースが増えたことを理由としてあげていますが、昨年4月に全面施行された「個人情報保護法」の「曲解」によって、調査事態を拒否するケースも目立っているようです。
 5年に1度行われる国勢調査は統計法上、日本に住むすべての人に申告義務があり、拒否した場合には懲役もしくは禁固6か月以下または罰金10万円以下の罰則もあります。地方交付税の配分基準や議員定数の決定をはじめ、行政施策の基礎資料にも使われるため、精度が高いものでなければなりません。
 
<法律本来の趣旨>
 個人情報保護法では「目的」を次のように定めています。
『この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。』
 これだけではよくわかりませんが、法律の最大の目的は、個人情報の不正使用や漏洩、売買等による個人の不利益をなくすことにあったはずです。例えば、子どもの入学時期になると頼みもしないのに(どこで入手した情報かもわからない)、DMが山のように送られてくるとか、買った覚えのない商品が勝手に送りつけられるとか、そういうことを防ぐことが本来の趣旨です。
 もちろん、個人にしても、法人にしても、名簿を「持つ」こと自体が禁じられているわけではありませんし、「利用」についても、情報の入手方法が適正で、利用目的が特定されていれば問題ありません。

<過剰反応がまねく「匿名社会」>
 「国勢調査の拒否」は極端な例かも知れませんが、最近では、名簿を作らない自治会や学校が多くなっています。
 学校では、住所の入った連絡網は配布しないのは当たり前で、なかには前後の必要な部分だけ電話番号を載せ、しかも名前はカタカナで名字だけ記載というところもあるようです。さらに、授業参観の日には下駄箱の名前を全部隠し、絵などの作品も名前は伏せる。先生に年賀状を出したいので住所を教えてといっても一切教えない。。。「子どもを犯罪から守る」という側面もあるようですが、ここまでくると単なる学校の「事なかれ主義」としか思えません。
 今年4月、遺児を支援する「あしなが育英会」への申し込みが激減するという事態がおきました。個人情報保護法に過剰反応した中学校が、情報提供(高校進学を控えた3年生の遺児に募集案内を送るための情報)に非協力的だったためとされています。その後のマスコミの報道などで、新たな申込者があったようですが、明らかに法律を理解していない中学校側の怠慢が引き起こした事態であり、それによって不利益を被るのは弱者であったことを忘れてはなりません。

 阪神淡路大震災でも中越地震でも、地域社会が救った命は数知れません。災害時にまず頼りになるのは「役所」だと思いがちですが、大規模な災害の場合は、役所の人たちも被災者になることを忘れてはいけません。水や食料などの確保やライフ・ラインの復旧は、最低でも数日間を要し、それまでは自らと地域の力で対処するしかありません。中越地震の被災地となった「田舎」では、「どこに誰がすんでいるか」という地域の情報が大変役に立ちました。都会ではそうもいきませんが、極端な匿名社会は救える命も放置することになりかねません。
 匿名社会を一番喜ぶのは「悪人」ではないでしょうか。普通の人にとっては「どこに誰が住んでいるのかわからない社会」の方が怖いはずです。もちろん、高度に情報化された社会の中で、個人情報を守ることは必要ですが、本来の趣旨を逸脱した法律の運用や解釈は、コミュニティーを崩壊させ、世の中をますます殺伐とさせることにならないでしょうか。

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2006年10月 4日 (水)

安倍首相 初の代表質問

 安倍首相就任後、初の本会議代表質問が10月2日に行われました。答弁は原稿を読みながら無難な内容に終始しましたが、特に気になったのは「消費税」に関する答弁です。

 首相の所信表明演説で「消費税は逃げず、逃げ込まず」と述べた点について、民主党の鳩山幹事長が真意を質しましたが、「改革を徹底してもなお対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増について安定的な財源を確保するため、抜本的、一体的な税制改革を推進し、将来世代への負担の先送りを行わないようにする」と述べるにとどまり、消費税増税の必要性については明言を避けました。民主党の再質問に対し、首相は「来年の秋以降に本格的な議論を行う」と述べましたが、明らかに来夏の参議院選挙を意識してのことであり、それまでは怖くて消費税には手をつけられないというのが本音でしょう。

 小泉前首相の「三位一体の改革」によって、公共事業の削減や特殊法人改革など、ある程度の財政再建策が実施されましたが、国の借金はいまだに770兆円を超えており、今後の急速な少子高齢化を考えれば、財政再建はまだまだ不充分です。

 消費税を含め、国民に負担増を強いる増税については慎重であるべきですし、増税の前に節約できる部分があるという指摘も当然ですが、年金・医療・介護など福祉関連の今後の負担増を考えれば、近い将来、消費税を上げざるを得ないことは誰の目から見ても明らかです。

 年金の改正についても不充分です。基礎年金部分への税金の投入分を3分の1から2分の1に引き上げるとともに、国民の負担増などの措置をとりましたが、改正の根拠となる出生率の見通しはひじょうに甘く、また制度の基準となる「モデル世帯」は「夫は40年間年金加入、妻はその間ずっと専業主婦」という、現代社会ではむしろ稀なケースを想定しているなど、将来にわたって安心な制度ができたとは到底いえない内容です。

  いま政治に求められているのは「説明責任」です。国民に「痛み」ばかりを強いる改革では困りますが、耳障りのいいことばかりを言って、抜本的な改革から逃げていれば、いつまでたっても日本の将来像はみえてきません。消費税についても、行政のムダ遣いをやめる方策を明らかにし、その上で将来にわたって国民が安心して生活を送れるようにするには「これだけの増税が必要である」と真摯に説明すれば、それでも反対する人はむしろ少数ではないかと思うのです。

 増税の方法についても議論すべきです。消費税は一律上げるべきなのか、「逆進性」に配慮して生活必需品などを低税率とする多税率を採用するのか、増税分は福祉目的税化すべきなのか、国民を巻き込んで議論しなければならないことはたくさんあります。

 社会保障制度の抜本改革は待ったなしの状況です。憲法論議も結構ですが、国民の日々の生活に直接影響を与える政策についても逃げずに真摯な対応を求めます。

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2006年9月13日 (水)

自民党総裁選と「小沢ビジョン」

<小泉首相の功罪> 

 自民党の総裁選がはじまりました。支持率は、安倍氏54%、谷垣氏11%、麻生氏10%(朝日新聞)と、安倍氏が圧倒的にリードしていますが、「安倍氏を支持する理由」については、「人柄やイメージ」44%、「ほかに良い人がいない」25%、「若さ」11%、「実行力」10%、「政策や主張」5%。イメージ先行型で、本来、積極的な支持の動機づけとなるべき政策や実行力が軽視されていることがわかります。

 巷では「誰が首相をやっても同じ」という声をよく耳にします。しかし本当にそうでしょうか、小泉政権の5年間をみても日本は大きく変わりました。「三位一体の改革」については一定の評価をする声もあります。補助金の削減、特殊法人改革等の行革、規制緩和、郵政民営化等、個々の政策については賛否両論ですが、「改革路線」を軌道にのせたという点はある程度評価してよいのかも知れません。また、「小泉劇場」がもたらした影響も少なくありません。「ワイドショー政治」自体に功罪が付きまといますが、若年層など、それまで政治に関心のなかった人の目を向けさせたことは確かです。

 一方で、「景気は回復に向かっている」とはいうものの、「大都市・大企業優先、地方・中小企業軽視」の政策は、社会のあらゆるところで格差を広げています。また、イラク戦争への対応や靖国神社参拝にみられるように、「アメリカ一辺倒、アジア軽視」の外交姿勢が強まり、対中・対韓関係は冷え切ったままです。他にも例を挙げればきりがありませんが、小泉首相が「特異」な存在であったとはいえ、良くも悪くも「時の首相」が国にもたらす力は小さくありません。

<小沢ビジョン>

 さて、民主党です。9月12日に代表選が告示されましたが、これに先立ち小沢代表が「基本理念」および「基本政策」(小沢ビジョン)を発表しました。以下はその骨子です。

・5歳から高校までを義務教育とし、中高一貫教育を実現。就学前教育の無償化を推進。

・学校週5日制を見直し、土曜日は地域が一体となって幅広い教養を身につける日とする。

・子育てに対する「子ども手当」と親と同居する世帯への「親手当」を創設(高額所得者には制限あり)。

・年金は議員年金も含めすべて一元化。基礎年金部分は全額消費税でまかなう。

・消費税は福祉目的税化する。

・必要最低限のカロリーは国内で生産する食料自給体制の確立。

・地方分権の推進。個別補助金は全廃し、すべて地方の自主財源として自治体に一括交付。市町村は300程度の基礎自治体に集約。

・特殊法人、独立行政法人、各省庁の外郭団体である公益法人は廃止または民営化。

・自衛権の行使は専守防衛に限定。

<政権交代に向けて>

 小沢ビジョンは代表選に向けた小沢代表個人の考え方を示したものであり、これがそのまま民主党の基本理念・政策になるわけではありませんが、来年の統一地方選と参議院選に向けて、この案を軸に政権構想がまとめられることは間違いありません。

 「自由主義対社会主義」というような明確な対立軸がなくなった昨今、政党間の政策の違いがみえにくくなったことは確かです。小沢ビジョンでは、日本が目指すべき国のかたちを提示するとともに、自民党の「自由競争を重視した強者優先社会」と民主党の「自由競争のなかにもセーフティネットを重視した格差是正社会」という現代版の対立軸を明確にしています。これまで民主党に批判的だった方々にも是非ともご一読いただきたい内容です。

 緊張感のない政権は腐敗します。日本の民主主義にとって最大の不幸は政権交代が行われないことです。もちろんこれまで国民の多数の信頼を得られなかった民主党に最大の責任があるのですが、今後の民主党の政策と活動にご注目をいただき、自らのご判断で大切な一票を投じていただければと思います。

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2006年9月12日 (火)

9.11(同時多発テロ)から5年

 香港を拠点としてIT企業に勤める私の友人は、月に1度のペースでアメリカに出張しているそうですが、彼は「「アメリカの空港警備はどんどん厳しくなる。9.11後は仕方がないと思っていたが、今はむしろそれ以上だ」と言います。

 同時多発テロから5年が経ちました。あの時はテレビのニュース番組をみていましたが、1機目が貿易センタービルに「衝突」した映像が流れたときには何がなんだかわからず、2機目のとき「テロ」と直感しました。ビルが無残に倒壊する映像をみながら、それまで経験したことのない悲しみと得体の知れない恐怖を感じていました。

 1990年8月の、イラクのクウェート侵攻に端を発した「湾岸戦争」では、91年1月15日を撤退期限とした国連決議(対イラク武力行使容認決議)をイラクが無視。期限2日後の17日に多国籍軍が空爆を開始しました。当時、私は議員秘書になって1年にも満たない新米でしたが、私の周辺はマスコミも含めて撤退期限「直後」に空爆が始まるなどとは夢にも思っておらず、ずいぶん慌てた記憶があります。それを「平和ボケ」とか「危機管理意識のなさ」といわれればそれまでですが、「戦争」とか「武力行使」に対する日本人とアメリカ人の大きな認識の差を痛感させられ、その後の世論調査でブッシュ(現大統領の父)の支持率が9割を超えたときに、その思いを一層強くしました。

 9.11後のイラク戦争でも、当初アメリカ国民は熱狂的にブッシュを支持しましたが、2003年5月のアメリカの「戦争終結宣言」以降もイラクは混迷を深める一方で、イラクとその周辺諸国はテロの主戦場となり、イラク新政権樹立後もアメリカ軍は撤退せず(米軍の死者の数は9.11の犠牲者数に並ぼうとしている)、世界中がテロに怯えています。イラク戦争の「大義名分」であった「大量破壊兵器」は結局みつからず、それどころか、フセインとアルカイダ(9.11を起こした国際テロ組織)との関係は一切なかったということも明らかになっています(米上院情報特別委員会報告)。

 最近のブッシュ大統領の支持率は4割を下回っています。また、8月30日のCNNによる「イラクで勝利する勢力」を問う質問では、米国が25%、反政府勢力が12%となる一方、「なし」が62%と圧倒的多数を占めています。アメリカ国民もイラク戦争が「勝者」なき不毛な戦いであったことにようやく気づきはじめています。

 朝日新聞の社説では『最大の誤りは「テロとの戦争」を宣言したブッシュ大統領が、その矛先をイラクにまで向けたことだったろう』としています。それはそれで間違いないのでしょうが、もっと根本的な「誤り」は、ブッシュ政権が世界を「敵と味方」、あるいは「善と悪」の2極に単純に分類し、その「分かりやすさ」を国民が盲目的に支持してしまったことにあるのではないでしょうか。

 アメリカの最大の価値は「自由」と「民主主義」にあるといわれています。もちろんそれらは尊重されるべきですが、世界には様々な民族、宗教、歴史、文化が存在します。いうまでもなくテロは絶対に許されません。しかし、テロを根絶するためにはその背景にあるものへの「想像力」が必要で、「武力」だけでは解決できないということに、いいかげん気づくべきです。

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2006年9月 8日 (金)

親王殿下のご誕生と皇室典範

 9月6日、秋篠宮紀子さまが男子をご出産されました。私たち国民にとって、とても明るい話題であり、心から祝福を申し上げ、親王殿下の健やかなご成長をお祈りしたいと思います。
 
 ともあれ、祝福すべき話題の一方で、これまで政府の有識者会議などで議論されてきた皇室典範の改正問題について、一気に国全体が「時期尚早」ムードになっていることには一抹の不安とともに違和感を感じます。
 いうまでもなく、この議論がはじまったのは、皇太子家、秋篠宮家の次世代に皇位継承可能な男子が誕生していなかったためで、会議では「女系・女性天皇容認論」や「元皇族の皇籍復帰」などの案が提示されてきました。親王のご誕生によって、皇位継承者不在については一応の解決をみたわけですが、男子がお1人だけでは、現行典範の下で将来にわたって皇室を維持することには不安が残り、本質的な問題が解消されたとはいえません。
 皇室が民間から妃を迎えるようになったのは、戦後、美智子皇后が初めてで、長い歴史をもつ皇室にあっても、2世代でしか経験していないことです。美智子さまはもとより、雅子さま、紀子さまのこれまでのお心の揺れようを拝察するにつけ、「皇室に人権はないのか?」と感じたのは私だけではないでしょう。さらに将来を考えれば、親王殿下あるいは未来の妃殿下に過重なご負担をかけることにはならないでしょうか。
 以上のようなことを、庶民の浅薄な考えといわれればそれまでですが、皇位継承や皇室典範については、いまだ国民的議論がなされたとは言いがたい状況にあると思います。「なぜ男系でなければいけないのか」という素朴な疑問にも「皇室の歴史」という以外に明確な回答を聞いたことがありません。
 親王のご誕生は、時間をかけて国民的な議論を展開するきっかけと捉えるべきです。歴史に重みを感じつつも、国民に慕われ、尊敬され、親しまれる現代における皇室のあり方と、これを育む皇室典範のあり方について、引き続き大いに議論すべきだと思います。

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2006年8月16日 (水)

小泉首相の靖国神社参拝

 終戦記念日の8月15日、小泉首相は靖国神社を参拝しました。首相としては中曽根元首相以来21年ぶりということです。8月15日の参拝は、01年の自民党総裁選時の公約でしたが、過去5回の参拝では中国・韓国などに対する配慮などから、この日を避けてきた経緯があります。

<適切な日?公約は生きている??>
 首相は「いつ行っても批判・反発がある。だから今日が適切な日と判断した」。「公約は生きている。守るべきもの」としています。しかし「国債発行は30兆円を超えない」とした「公約」は「大した問題じゃない」と言い放っておきながら、ここで公約を引き合いに出すのはあまりに身勝手です。
 また、アメリカ一辺倒でアジア諸国に無配慮な首相の外交姿勢が対中・対韓関係を悪化させたにもかかわらず、「いつ行っても同じ」という論理で参拝を強行したことは、傷口に塩をすり込むような行為としか言いようがありません。
 幸いなことに、今回の中韓両国の反応は比較的冷静なものでしたが、言うまでもなく中韓政府・国民が小泉首相の行為を容認したからではありません。単に小泉後を睨んでの諦めでしかなく、次期首相の対応如何では反発はさらに強まるでしょう。
 
<A級戦犯の問題>
 A級戦犯が合祀されていることについて、「私は特定の人に参拝しているわけではない」。「(A級戦犯は)戦犯として(東京裁判で)刑を受けている」と述べています。
 東京裁判や戦犯についての考え方は様々です。確かに戦勝国が一方的に行った裁判であり、裁かれる側には弁明の余地もありませんでした。また、日本が戦争をはじめたのも、当時の国際情勢を考えればやむを得ぬ選択だったという見方もあります。
 ただ少なくとも、軍部の独走によってやみくもに領土を拡大させ、アメリカ参戦によって戦況が悪化し、都市が焼け野原になり多くの民間人が犠牲になっても戦争をやめなかった責任は、指導者として回避できるものではありません。
 死者にムチを打つことを望まないのが日本人ですが、一国の指導者になるということは、国民を誤った方向に導けば、死後も歴史の中で批判されることを覚悟しなければならないと思うのです。
 第二次大戦後のドイツでは、ナチスに関与した人たちは、戦勝国からはもちろん、ドイツ人からも裁かれました。戦争犯罪について同国人を裁くということは辛いことだと思いますし、これを日本でも行うべきだったということでもありません。ただ、戦争責任を戦後60年たった今日でも問題にされる日本とドイツの違いが、こういうところで際立って見えることは事実です。
 
<分祀を拒む靖国神社>
 中国や韓国だけでなく、国内の遺族のなかにも「合祀」について多くの反発があることを考えれば、首相の「心の問題」で片付けられる問題ではないと思います。
 また、靖国神社には日本人だけでなく、日本の軍人・軍属として戦争で命を落とした韓国人や台湾人も祀られていますが、遺族から「合祀取り下げ」の要求があっても、靖国神社は「一度神として祀った霊を分けることはできない」という理由から要求をはね付けてきました(靖国神社がA級戦犯の分祀に応じないのも同じ理由による)。
 さらに、靖国神社に祀られるということは「顕彰」の意味合いがあるといいます。つまり、「お国のために命を落とした人は靖国に祀られ神になれる」というもので、国民が命を投げ出して戦地に赴かせるための装置として機能していたということです。政治家の靖国参拝は「日本の戦争の正当化」であり「軍国主義の復活」だという、日本人にとってはややナンセンスに感じることを言われる根拠はここにあるようですが、靖国問題を考えるときに忘れてはならない側面だと思います。

<すべての戦没者に>
 国が起こした戦争で犠牲になった兵士を、元首がその国のやり方で慰霊することは極めて普通のことで、ご遺族の気持ちを考えれば、それを当たり前にできないのは不幸なことです。
 一方で、靖国神社は軍人・軍属だけを祀っていますが、空襲や原爆などの犠牲になった民間人も、また日本の攻撃の犠牲になった人々も、戦争犠牲者であることに違いはなく、戦争によって失われたすべての命に対して哀悼をささげ、二度と過ちを繰り返さないことを誓うべきです。
 いまの靖国ではそれができない以上は、中国や韓国の所為にする前に、できる方法を考えるべきです。「A級戦犯分祀」「国立追悼施設建設」「靖国神社特殊法人化」等がいわれていますが、どの論を基本にするにせよ、内外の大多数の賛同が得られるかたちにしなければなりません。

 中国や韓国が靖国問題を外交カードとして利用している側面があることは否めません。また一部の人たちの過剰な反応は「反日教育」による影響もあると思われます。
 考えてみれば、イラクとイラン、インドとパキスタン、イスラエルと周辺イスラム諸国。。。隣同士仲が悪い例は枚挙にいとまがありませんし、権力者が人心をまとめるために「敵」を作ることは常套手段であるともいえます。
 大切なのは、そういう指導者に惑わされないことであり、宗教や文化などを乗り越え、お互いの「違い」を理解する努力をすることです。そういう「心」を涵養することが、関係を改善する第一歩になると思います。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp

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