医療・介護

2009年6月17日 (水)

第2回定例会が終わりました

 6月1日から行われていた、練馬区議会第2回定例会が閉会しました。私ども民主党練馬クラブは、今定例会に提出された議案について慎重に審議した結果、議員提出議案1件以外については可決すべきという結論を出しました。

<練馬区特別区税条例等の一部を改正する条例>

 今回、私どもの会派で最も議論になったのは、この条例の賛否についてです。条例の内容は、①住宅ローン特別控除の創設、②上場株式等の配当所得、譲渡所得等に係る軽減税率の適用の延長、③土地等の長期譲渡所得に係る特別控除の創設、④優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る課税の特例の延長、⑤寄付金税制における控除限度額計算に係る規定の整備であり、以上は国が景気対策の一環として、暫定的に地方税を減税する改正を行ったことにともなう条例改正です。

 そもそも、今回の改正には「景気対策に本当につながるのか」「単なる金持ち優遇ではないか」という疑問があるわけですが、仮に一定の経済効果を認めたとしても、私どもが着目したのはその「期間」でした。今回の条例改正は、平成23年末まで減税を行うというものです。私どもとしては区財政への影響を考慮し、23年以降に関しては景気の動向を見ながら判断すべきであり、減税期間を22年末までとするなどの修正議案を模索しましたが、この点について課税当局に確認したところ、国が決めた減税期間については、自治体に独自の裁量権がないということが判明し、課税執行の混乱を避けるためにやむなく賛成したものです。地方分権の推進によって、自主課税権など自治体の裁量が拡大したといわれていますが、ことほどさように自治体の権限はまだまだ不十分なのが実態です。

<議会人事について>

 第2回定例会は、正副議長をはじめとする議会の役職を決める「人事議会」でもあります。私はこの1年間、健康福祉委員会委員、総合計画等特別委員会副委員長を務めてきましたが、今回の人事で、環境まちづくり委員会委員、医療・高齢者等特別委員会委員長に就任することになりました。私にとって委員長は初めての経験ですが、活発な議論と円滑な運営を心がけていきたいと思います。

 さて、定例会最終日の今日、練馬区議会から選出する東京都後期高齢者医療広域連合議会議員を①議長の兼任にすべきという議案、②医療・高齢者等特別委員長の兼任にすべきという議案の2つが追加上程されました。

 私どもの会派は、そもそも後期高齢者医療制度には反対ですが、制度に関わる広域連合ですから、区の意向を的確に伝えるためにも、医療・高齢者等特別委員長を候補者とすべきという議案(議員提出議案第4号)に賛成、私どもの他に、共産党、社民党・市民の声・ふくしフォーラム、生活者ネットワーク、緑と自治、オンブズマン練馬が同議案に賛成しました。一方、自民党、公明党、区民クラブは議長を候補者とすべきという議案(議員提出議案第5号)に賛成し、結果、第4号は否決され、第5号が可決されました。

 議案第4号を提出した時点では、私が医療・高齢者等特別委員長に選任されていたわけではなく、議案の当事者となったのはある意味偶然ですが、当事者となった私は、規定により同議案の採決に参加することはできませんでした。いずれにしても残念だったのは、同じ民主党系の会派である区民クラブの賛同を得られなかったことです。

 以前も記したように、任期途中に会派が分裂すること自体が問題であり、ご支援くださっている皆様には本当に申し訳なく思っておりますが、私ども民主党練馬クラブは、今後とも会派内外での議論を尽くし、区民生活の向上に少しでも貢献したいと考えています。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月22日 (水)

認知症対策について

 認知症とは、後天的な脳の器質的障害によって、正常に発達した知能が低下した状態をいいます。かつては痴呆と呼ばれていたものですが、2004年、厚生労働省の用語検討会によって認知症に言葉が置き換えられました。

 練馬区が65歳から84歳までの高齢者を対象に行った「家族構成」の調査では、最も多かったのが、男性、女性いずれも夫婦のみの同居で、男性では48.4%、女性では32.4%。次に多かったのは子どもとの同居で、男性では29.1%、女性では26.4%。一人暮らしは13.8%で、女性では19.3%、男性では7.5%ですが、現在では、夫婦のみ家庭や一人暮らし家庭が増加していることが予測されます。

 現在、日本での有病率は65歳の高齢者で3.0%から8.8%といわれていますが、2026年には10%に達するとされ、高齢化社会のなかで、いかに認知症を予防し、発症してしまった人をどのように社会が支えていくかが課題になっています。地域社会における高齢者のみ世帯と独居高齢者世帯の増加は、少なくとも発症の初期段階においては、高齢者のみで対処しなければならないことを意味し、また、病気に対する次世代支援を得にくいという点でも、早期に社会全体で支える体制を構築しなければなりません。

 練馬区としても、認知症に関する広報、啓発(家族介護者教室、認知症予防教室、パンフレットの作成、講演会の開催、認知症予防推進員の人材育成・活動支援)や認知症高齢者の発見(ひとりぐらし高齢者等実態調査、見守りネットワーク、よりあいひろば、高齢者集合住宅の安否確認、かかりつけ医による把握)、認知症予防関連事業(いきがいデイサービス、よりあいひろば、健康づくり事業、介護予防リハビリテーション事業、認知症予防事業)等、幅広い支援を行っていますが、さらなるケアシステムの充実が必要です。 なお、認知症相談は、地域包括支援センター本所(区内4か所)、地域包括支援センター支所(区内19か所)、保健相談所(区内6か所)等で行っております。

 また、2008年10月に東京都が行った「若年性認知症生活実態調査」によると、若年性認知症の平均発症年齢は56.3歳、発病後の失業率は65.9%という実態が明らかになりました。都内の患者は推計で3千人から4千人とされていますが、若い時に認知症を発症した場合には、高齢者と比べて公的サービスの利用率が低いことがわかっています。

 若年性認知症患者が現在利用しているサービスや支援制度の利用状況でみると「介護保険制度によるサービスや支援」では、「通所サービス」が38.3%と最も多く、次いで「訪問介護」が23.4%、「短期入所生活支援」が21.3%となっていますが、「サービス・支援を利用していない」人も38.3%と高い割合を占めています。また、「障害者自立支援法によるサービス・支援」では、「サービス・支援を受けていない」が91.5%で、ほとんど利用されていないのが実態です。

 本来受けられるサービス・支援を受けていなかった理由としては、とくに障害者自立支援法によるサービスでは55.8%が「知らなかった」と答えており、行政によるさらなる周知と啓発が必要と考えます。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月16日 (月)

普通救命講習会

2009_0316_094710p1010892  青少年育成関地区委員会主催の「普通救命講習会」が関区民センターで行われました。

 現在、119番通報から救急車が現場に到着するまでには平均6から7分かかるといわれています。「バイスタンダー」とはその場に居合わせた人という意味ですが、救急車が到着するまでの時間は、救急隊員や医療従事者が決して埋められない時間であり、かけがえのない命が救えるかどうかはバイスタンダーとなり得る人たちしだいということがいえます。

 「万一、心肺停止した人に遭遇するようなことがあった場合に、応急手当としてどんなことができるか」。一口に「心肺停止」といっても、素人にはその判断が難しく感じられますが、傷病者が「呼吸をしていない」状態であれば、心肺停止状態と判断して良いということです。

2009_0316_101927p1010894  突然に心肺停止した人を救命するためには、①早い119番通報、②早い心肺蘇生、③早い除細動、④2次救命措置(救急隊や病院での処置)が連続して行われることが必要で、この4つのうちどれか一つでも途切れてしまえば、救命効果は低下してしまいます。バイスタンダーとなる市民は、この救命の連鎖のうち最も重要な①から③の鎖を担っています。

2009_0316_103605p1010896  講習は、テキストを使っての基礎知識の学習と実地訓練というかたちで行われましたが、最も重要な救命のための実地訓練では、傷病者に遭遇したという状況を想定し、まず、救急車に通報し(大声で助けを呼ぶ)、気道確保を行った後に、呼吸の確認、人工呼吸(感染防止のため人工呼吸用マウスピースを使用)、胸骨圧迫、AED(自動対外式除細動器)の使用などを体験しました。

 AEDは、突然の心停止の原因となる「心室細動」(心臓の筋肉が無秩序に震えている状態)や「無脈性心室頻拍」(心室のみが規則的だが非常に早く動いている状態)を取り除く、つまり、心臓の痙攣を電気ショックによって取り除くための器具であり、できるだけ早く除細動を行うことが傷病者の生死を決めることになります。AEDは区民センターや小中学校などの公共施設、消防署などに常備されていますが、一度も使用したことがない人にとっては使用がためらわれるかもしれません。しかし、実際に使用してみると、音声ガイダンスにしたがって行うだけで、誰にでも簡単に操作することができます。

 講習を受ける前は、実際に心肺停止状態の人に遭遇した場合に、救急車を呼ぶ以外の救命活動ができるのかと不安でしたが、講師の指示にしたがって人工呼吸、胸骨圧迫、AEDの操作などを行ってみると、想像していたほど難しいことではなく、落ち着いた行動さえできれば大丈夫という確信を持つことができました。実際の救命活動を行えるかどうかの鍵は、まさに「経験の有無」にあり、たとえ医療従事者でなくても、一度でも人工呼吸、胸骨圧迫、AED操作などの経験があれば、傷病者の命を救える可能性が高まるということを感じることができました。

 なお、今回の講習は財団法人東京救急協会によるものです。ホームページに講習の内容などが記載されていますので(講習の申し込みもホームページ上で可能です)、是非ご覧になってみてください。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月14日 (月)

後期高齢者医療制度

 長年、医療機関の事務のお仕事をされ、今年1月に退職された知り合いの方は、ずいぶん以前から「後期高齢者医療制度は必ず混乱する」と言っておられました。「これだけ複雑な制度なのに、高齢者の方々にきちんと伝えられていなかった」というのがその理由です。

 この件に関しては連日報道されていますが、新しい保険証が届かない加入者が全国で7万件もあり、説明不足が混乱を招いたと陳謝したとのこと。練馬区でもパンフレットを作成したり、区報に情報を掲載するなど周知をしたということですが、やはり200件の行く先不明があったということで、私の知人が言っていた通りになってしまったというのが実感です。

 「後期高齢者」とは、75歳以上の人のことで、この4月から75歳以上の高齢者約1300万人はすべて、それまで加入していた国保や健保を脱退し、後期高齢者だけの医療保険に組み入れられることになりました。

 保険料は収入によって違いますが、政府の試算では全国平均で月額6200円(年74000円)程度、2015年度には年8万5000円になるとされています。保険料の徴収は、年金額が月15000円以上の人は、介護保険料とあわせて年金から天引きされることになります。 明日(15日)が初の保険料納付日となりますが、新しい制度を知らない人や、知っていても徴収の仕組みなどをよく理解できていない人からの問い合わせが殺到し、大混乱が起こることも考えられます。

 この制度は、2006年6月に与党が国会で審議打ち切り(強行採決)によってできたものですが、様々な問題点が指摘されています。

 まず、これまで息子などの「扶養」に入っていて保険料がゼロだった人(推計では全国で200万人)にも保険料がかかるようになり、それが丸ごと負担増になることです。また、現役サラリーマンで働いている人が75歳になれば、同保険に加入しなければならないために、扶養されていた家族は国保に加入しなければならず、その分は負担増になります。

 また、年金天引きではなく、現金で保険料を納める人は、保険料を滞納すると保険証を取り上げられ、「資格証明証」に切り替えられます。資格証明証になると、いったんは医療費の全額を窓口で支払わなければならないため、医療を受けたくても受けられない人が出る可能性があります。

 さらに、政府では診療報酬を他の保険とは別だての「包括払い(定額制)」にすることが検討されています。厚生労働省から示されているのは、病気や治療方法ごとに、通院、入院とも包括定額制(たとえば高血圧症の外来は検査、注射、投薬などを含めて1か月いくらと決める方法)で、これが導入されると、上限額を超えた治療は病院の「持ち出し」になるため、病院が医療行為を控えることも考えられます。

 そもそもこの制度は、現役世代の約5倍(1人当たり)かかっているといわれる後期高齢者の医療費を狙い撃ちしたもので、後期高齢者だけを対象として独立させ、医療給付を集中管理しようとする世界でも類をみない制度といわれています。高齢化との関係で高騰する医療費は大きな課題ですが、75歳以上だけを対象とする制度は、「弱者いじめ」というだけでなく、道義的にみても差別的で、社会保険の本来あるべき姿ではないと思います。

 「財源」の問題を言う人もいるでしょうが、それならば、公費天国・天下り天国をまず止めさせ、10年間で59兆円という馬鹿げた道路計画も白紙に戻すべきです。本来、政治の光は弱者にこそ当てられるべきと思いますが、最近の政治はどんどん弱者を切り捨てる方向に向いているような気がしてなりません。

土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)