9月17日から練馬区議会第3回定例会が始まりました。定例会3日目となる今日、民主党練馬クラブを代表して一般質問を行いました。以下に質問の全文を掲載します。
<新基本構想について>
区は、新基本構想の策定に着手する理由として、現在の基本構想が「時代の経過に伴う社会経済情勢の激しい変化により、基本構想の内容と現状では整合性の取れない部分が現れてきている」ことをあげています。
現基本構想が作られた30年前には想定されなかった、あるいは重視されていなかった問題としては、地球温暖化など新たな環境問題、凶悪犯罪の増加による安全・安心の視点、急激な少子高齢化、保育施設の充実など子育て支援、いじめや学級崩壊などの教育問題、循環型社会の構築、地方分権による特別区の制度改革等が考えられます。
これらの視点は、練馬区の将来像を考える上で欠くことのできない新たな課題であり、新基本構想に方向性を明記すべきと考えます。審議会および庁内でどのような検討がなされているか、具体的にお答えください。
新基本構想の策定にあたっては、検討過程が開かれていて、できるだけ多くの区民の参加の下で行われるのが望ましい姿と考えます。区民の意見は郵便やファックス、電子メール等で随時募集されておりますが、これらの意見が、実際にどんなかたちで新基本構想に反映されていくかがよく見えません。意見募集を単なるガス抜きにしないためには、区民の意見が審議会や庁内、議会等でどのように取り上げられたかを区民に明らかにする必要があると考えますが、具体的にどのような方法をお考えかお答えください。
先月、私どもは超党派で岐阜県多治見市を視察してきました。多治見市は基本構想や市制基本条例の先進的な取り組みで知られており、基本構想および基本計画を含めた第6次総合計画の策定のために、小学校区を単位とした地区懇談会を15会場で行い、子どもを含めた若い世代を中心とした団体ヒアリングを11回行うなど、策定過程において積極的に市民の声を取り入れようという姿勢が伺えます。
練馬区では、11月に審議会の中間報告、3月に答申を行う予定になっていますが、この間の議論は審議会や庁内検討委員会が中心で、広く区民の声を取り入れる姿勢としては不十分と言わざるを得ません。
より多くの区民参加を促し、開かれた討論の場を提供するために、練馬区においても地区懇談会や団体ヒアリング、あるいは公開討論会等を開催する必要があると考えます。今後どのようなかたちで区民参加を促進していくお考えかお聞かせください。
新基本構想は、時代が変わることを前提に考える必要があり、また、すべての事業計画の基礎になることから、自由度が制限されがちです。とはいえ、新基本構想が何の特色もない、単なるスローガンの羅列に終わってしまえば、多くの労力をかけて策定する意味が半減してしまいます。練馬区の歴史・文化、特色を最大限に活かし、未来に明るい希望の持てる内容すべく、最大限努力すべきと考えます。ご所見を伺います。
<自治基本条例について>
自治基本条例は「他の条例や計画などの策定方針となる、自治体における基本条例としての性格を持ち、自治体運営に関する基本的な事項を網羅するとともに、住民の権利と責務、議会と行政の役割・責務を明らかにする総合条例としての性格を持つ」ものです。
練馬区では、(仮称)練馬区自治基本条例区民懇談会が平成17年6月に設置され、平成18年7月に区に対する提言がなされましたが、その後策定への主だった動きはなく、頓挫した状態が続いています。
自治基本条例は自治体の最高規範であり、慎重な議論が必要なことはいうまでもなく、議会内でも条例の必要性を含めて様々な意見があることは承知しておりますが、行政改革推進プランに「区政運営の基本的な仕組みを定める(仮称)自治基本条例を制定します」と明記されているからには、いたずらにこの問題を放置することは許されません。さらに、行政改革推進プランは平成22年度を目標に定めたものであり、これを達成するためには自治基本条例の議論を早急に再開する必要があります。
そこでお聞きしますが、区として自治基本条例を制定するお考えに変更はないか、変更なしとするならば、議論再開の見通しについてお考えをお示しください。さらに、目標通り22年度内の策定は可能なのか、また、可能にするためにはどのような審議プロセスが必要か、明確にしてださい。
また、自治体の最高規範である自治基本条例と区のめざすべき将来像となる新基本構想とは、いわば車の両輪であり、本来は新基本構想に並行して検討されるべきものと考えますが、ご見解をお聞きします。
岐阜県多治見市では、平成18年に多治見市市政基本条例が施行されました。行政と市民との情報の共有、政策決定過程における市民参加の保障など、参考にすべき点が多くみられますが、最も特徴的なのは、練馬区では長期総合計画にあたる総合計画の策定について、その手続きが明確に規定されていることです。
多治見市市政基本条例には、「総合計画は市の政策を定める最上位の計画であり、市が行う政策は、緊急を要するもののほかは、これに基づかなければならない」。「総合計画は、市民の参加を経て案が作成され、基本構想及び基本計画について議会の議決を経て策定される」。「総合計画は、計画期間を定めて策定され、市長の任期ごとに見直される」。「市は基本計画に基づく事業の進行を管理し、その状況を公表しなければならない」。「市は各政策分野における基本となる計画を策定する場合は、総合計画との関係を明らかにし、策定後は総合計画との調整のもとで進行を管理しなければならない」等、総合計画の政策的位置づけ、作成過程における市民参加の保障、市長の任期ごとの総合計画の見直し、基本計画に基づく事業の公表などを具体的に明記しています。
一方、練馬区においては、最高位の計画と考えられる長期計画の策定プロセスや見直しの方法について明記したものはなく、計画策定にあたっての区民参加を保障する規定もありません。例えば、練馬区では、審議会などの設置は個々の審議会設置条例や要綱で対応していますが、規定があったり、なかったりで、目に見える形で区民参加が保障されていません。区民に開かれた計画の策定のためには基本条例に以上のような内容を盛り込む必要があると考えますが、区のお考えをお聞きします。
さらに、多治見市では自治基本条例とは別に「多治見市市民参加条例」を制定し、市民が市政に参加する機会を保障しています。区民の声を施策に生かす意思表明として、また、区民と行政との情報の共有、区の説明責任の明確化、区に対する意見表明の機会の公平化、行政評価制度の浸透や強化等に向け、練馬区でも区民参加を保障する何らかの条例を検討する必要があると考えます。ご所見を伺います。
<浮遊粒子状物質PM2.5について>
次に、代表的な大気汚染物質のひとつである、浮遊粒子状物質(SPM)に含まれる、微小粒子状物質PM2.5の対策について伺います。
環境基準で定められている浮遊粒子状物質は、10マイクロメートル以下の粒子と2.5μm以下のPM2.5と呼ばれる微小粒子の総称ですが、近年、これらSPMの中でも、PM2.5は、呼吸時に気管を通り抜け気管支や肺まで達し、粒子表面に様々な有害物質が吸収・吸着されていることから、様々な健康影響の可能性が懸念されています。
PM2.5による健康影響については、これまで発がん性や呼吸器・循環器疾患との関連など、多くの科学的知見が報告されており、アメリカでは1997年7月にPM2.5の環境基準が設定され、2006年9月にはWHOが微小粒子状物質の環境目標値に関するガイドラインを設定しています。
わが国においても環境省が99年度から2006年度までの間「微小粒子状物質曝露影響調査研究」を実施し、微小粒子状物質の曝露と健康影響との関連性について知見の集積を行い、2007年5月に「微小粒子状物質健康影響評価検討会」を発足させました。
同検討会が今年3月にまとめた報告書は、「呼吸器系・循環器系の死亡リスクの増加、症状・機能の変化および入院・受診数の増加に関する疫学知見から、粒子状物質において、従前から認められている呼吸器系の健康影響が微小粒子状物質にもみられ、また、新たに微小粒子状物質による循環器系や肺がんの健康影響がみられた」としています。
これらを受けて、東京都は平成20年度予算に「人体に影響があるとされる大気中の微小粒子状物質の実態調査」を含めた大気汚染・廃棄物対策の推進に34億円を充て、2010年度末を目処にPM2.5を規制する独自の目標値を定めるとの方針を明らかにしています。
このようにPM2.5については、欧米と比べて対応が遅れたものの、国や都においても様々な健康への影響についての調査が始められ、近い将来、PM2.5に対する何らかの環境基準が設けられると考えられます。以上のような国や都の動きについて、また、PM2.5が与える健康への影響について、練馬区として現状ではどのようなお考えをお持ちか、お答えください。
練馬区には、現在13箇所の大気汚染常時測定室があり、大気汚染常時監視事業を行っていますが、窒素酸化物(NOx)については全施設が測定対象としているものの、SPMについて測定している施設は新設の高松1丁目を含めて3箇所にとどまっています。
練馬区環境基本計画によると、公害問題の解決にあたっては、「大気汚染法等により指定された物質、今後指定や環境基準設定が見込まれる物質(微小粒子PM2.5など)で未調査のものについては、監視業務の東京都から区への移管の進捗状況をみながら、区としての監視体制を検討する。また区の実情等に沿った新たな評価方法などの研究を進める」とあります。
今後、大気汚染常時監視事業を行っていくうえでPM2.5を含めたSPMの測定が重要な要素になると考えられ、監視体制の強化が必要です。監視業務の移管の見通しと、施設整備等、環境監視体制の強化について区のお考えをお聞きします。
今年4月の「練馬清掃工場立替事業に係る環境影響評価調査計画書に対する区長意見」には、「大気汚染に係る予測・評価小項目の浮遊粒子状物質については、より小粒径な浮遊粒子状物質(PM2.5)についても、現況および事後の調査を検討されたい。また、可能であれば、過去の調査データ等により排出量の推計値を示されたい」とあり、その理由として「現在、環境省において微小粒子状物質の環境基準について検討されており、現状では予測・評価までは困難にしても、現況および事後の調査を行って、本清掃工場建替事業の環境影響を明らかにする必要があると考える。また、既存の文献調査等により排出量の推計も可能と考える」とするなど、清掃工場の建替事業に関しては、PM2.5の調査を極めて重視しています。
一方、都市部における大気中のPM2.5の主な発生源は自動車の排ガスからの影響が大きく、沿道では粒子状物質の90%が自動車由来とされ、そのほとんどが2.5μm以下という調査があります。東京都では、ディーゼル車の規制などによって、SPMについては都内大気環境測定局のほぼ全てで環境基準を達成しているものの、2.5μm以下の微小粒子がどの程度減少しているかは不明であり、今後は道路事業についても監視体制の強化と評価基準の厳格化が望まれます。
例えば、練馬区大泉から世田谷区宇奈根までの延伸が計画されている外郭環状道路については、平成18年6月に都市計画変更及び環境影響評価準備書の手続きが着手され、19年4月に都市計画変更が決定されています。環境影響評価ではSPMの調査も行われましたが、この時点ではPM2.5に着目したものではなく、一般的なSPMの値において問題なしとされたに過ぎず、これをもって環境影響評価に問題なしとするのは、性急であるといわざるを得ません。
PM2.5は新しい知見ではありますが、練馬区としても、清掃事業についてPM2.5の環境影響を明らかにするよう求めるならば、さらに大きな健康影響が懸念される道路建設事業についても同様の措置を取るのが当然であり、外郭環状道路建設についても、PM2.5を環境影響評価の項目に加え、調査をやり直すよう国や都に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
<ヒートアイランド対策について>
昨今の異常気象は、地球温暖化や都市部でのヒートアイランド現象が一因と考えられています。この対策は練馬区だけでできるものではなく、国や東京都、さらには地球規模での取り組みが必要ですが、自治体レベルでも様々な対策が始まっています。
例えば、JR東京駅に併設されていた地上60メートルの大丸デパートが東京湾からの海風を妨げるという理由で、昨秋から移設のための解体工事が始まりました。解体が完了すれば、ヒートアイランド現象を和らげる日本の「風の道」第1号といえる計画となり、大阪市でも大阪湾からの海風を中心街に導き、都市の気温を下げる計画が予算化されています。
また、名古屋市ではこの秋から、原則として敷地面積が300平方メートル以上ある新築の建築物に10%から20%の緑化を義務付ける条例を施行し、横浜市ではヒートアイランド対策として商店街など人通りの多い公共空間に「ミスト冷却装置」を設置する民間業者に最大で500万円を補助する事業を始める予定です。
練馬区においても「みどり30推進計画」に代表されるように、いくつかの対策を始めていますが、早稲田大学名誉教授の尾島俊雄氏が「この40年で、都市は車とビルのために区画整理された。これからの40年は風と緑のための区画整理が必要だ」と提唱されているように、今後は、緑の政策に加え、風の道を意識した区画整理や排熱を減らす技術を駆使するなど、総合的な対策を行う必要があると考えますが、区としてどのような対策をお考えか、具体的な例を挙げてお示しください。
また、現在練馬区で区画整理事業を行っている例としては、土支田中央土地区画整理事業が挙げられますが、同事業において、何らかのヒートアイランド対策をお考えかどうかお示しください。
最近とくに都市部で頻発しているゲリラ豪雨は、ヒートアイランド現象が一因とされていますが、ゲリラ豪雨の原因となる積乱雲は数分、数十分という短時間で発達するため、場所が特定しにくく、降雨量の予測もしにくいとされています。
練馬区においても、関町・石神井台、中村地区をはじめ、いくつかの洪水危険地区がありますが、今年8月の豊島区における下水道作業員の死亡事故に見られるように、ゲリラ豪雨による事故や被害はあらゆる場所で想定しなければなりません。
気象庁は2010年度から警報・注意報を市区町村に細分化する予定で、国土交通省においても地球温暖化に伴う局地的集中豪雨による被害の軽減に向けた検討が始められていますが、練馬区としても、予測技術の高度化や局所豪雨に対応可能な河川管理施設の運用と整備、迅速な情報提供を国や都と連携して行う必要があると考えます。ご所見を伺います。
<武蔵関公園の富士見池増強工事について>
平成17年9月4日に、武蔵関公園周辺は120mmを超える局地的豪雨に見舞われ、下流部にあたる石神井川稲荷橋付近の85戸が浸水被害を受けました。今回の工事は、富士見池西側の広場に2800㎥の貯留層を埋めて既存の池と接続し、増水時には貯留層に水を貯めて調節池の機能を増強させるというものですが、平成17年の集中豪雨の際には、約1万トンの水が氾濫したといわれており、抜本的な対策のためには下流部から行われている50㎜対応の河川改修工事を待たなければならず、計画当初から有効性を疑問視する声が上がっていました。
東京都は、今回の工事で下流部の水位を約16cm下げられるとしていますが、その効果は未知数で、仮に平成17年並みの集中豪雨があった場合に、被害をどの程度軽減できるのかはほとんど明らかにされていません。この工事には2億数千万円の巨費が投じられた上に、工期が大幅に遅れ、樹木の伐採など大きな犠牲も強いられました。今後、抜本的な河川改修工事を行う上でも、今回の工事に対する住民の理解が必要で、そのためには、工事後に貯留層を管理する練馬区が東京都と協力して、貯留層の効果について綿密に検証することが不可欠です。具体的な検証方法について、どのようなお考えをお持ちかお答えください。
今回の工事では、事業主体である東京都第四建設事務所の事前説明と実際に行われている工事内容に食い違った点が多く、住民は不信感を募らせています。例えば、事前説明では、貯留槽の集水口について、「フィルターを設置するので貯留槽内に大きなゴミが入ることはない」としていましたが、実際の集水口は、10cm角ほどの「網」が施されているだけで、とても「フィルター」と呼べる代物ではありません。これでは、池のヘドロはもちろん、様々な異物が貯留槽に流れ込むのは明らかです。
完成後に貯留槽の管理を委託される練馬区は、貯留槽に異物がたまったときには、高圧の水流で清掃すると説明していますが、その能力や頻度については明らかにされておらず、工事完了後の管理体制に不安が残ります。
そこで伺いますが、増水によって実際に貯留槽に水が流れ込む頻度はどの程度と考えておられるのか、自然が相手なので明確な回答は難しいにしても、ある程度の予測を立てることは、防災計画上、また、貯留槽を管理する上でも必要と考えます。
また、地域住民は、貯留槽にヘドロや異物がたまることによって、ねずみや害虫が発生したり異臭を放つなどの事態を心配しています。こうした事態にならないように、区は細心の注意を払うべきですが、清掃の頻度など、具体的な管理方法をお答えください。
また、貯留槽の集水口付近は、とくに増水時には非常に危険な場所になるため、子どもなどが立ち入らないように万全の措置が必要です。具体的な対策を伺います。
今回、工事が行われた武蔵関公園の広場は、子どもからお年寄りまで多数の人々が集う憩いの場であり、化学物質であるポリプロピレン製の貯留槽を地中に埋めることには当初から大きな反発があり、また、地震発生時における強度の問題や、化学物質を埋めることによる土壌汚染、盛り土をすることによる広場の傾斜やスロープの状態などについて、心配する声があがっています。これらの点について本当に問題がないのか、あらためて区のご見解を伺います。
富士見池は昭和47年に池底をコンクリート張りにしてから大量のヘドロがたまるようになりましたが、池の浚渫を行ったのは、この36年間の間にわずか4回程度と聞いています。最近10年間では平成11年に1740㎥、平成13年に384㎥の土砂が除去されましたが、いずれもバキューム工法によるため、中途半端な対策にしかなっていません。しかも最後の工事から7年が経過しているため、池のヘドロはさらに蓄積し、夏場には大量のアオコが発生するなど、富士見池の水質は著しく悪化しています。
池の浚渫についは、公園環境を守るという観点からも重要ですが、今回行った増強工事の効果をあげるためにも早急に行う必要があると考えます。区のお考えをお聞きします。
最後に一言申し上げます。昨日の報道で練馬区公園緑地課が、親睦の目的で開いたボーリング大会で賭博行為が行われた疑いで、警察から事情聴取を受けていることが明らかになりました。これが事実とするならば区民の信頼を著しく失墜させる行為であり、再発防止のために厳正な対応を求めるものであります。事実関係について区の明確な答弁を求めます。
土屋ひとし公式ウェブサイト http://www.tsuchiya.jimusho.jp